珍しく劇団公式が宮本さんの吹き替え情報をSNSに載せていた。一部の人気ジャンル以外は今まで割とスルーしていたイメージだったので、今回の公表は嬉しかった。
というわけで、今回はハイブランドを舞台にしたお家騒動ドラマ(勝手なイメージ)を1話からじっくり見ることにした。とはいえ、個人的には範疇外のジャンルなのであまり進まない気がする。
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ざっくりした作品紹介
フランスを代表する老舗の独立系ハイブランド「ルデュ」。ブランド100周年の記念パーティーを前に、ルデュの屋台骨であるクリエイティブ・ディレクターのヴィンセント・ルデュが致命的なスキャンダルに見舞われる。ブランドの存続が掛かった瀬戸際で、ヴィンセントのビジネスパートナーであるペルルやヴィンセントの弟であり現在はライバルブランド「ロヴェル」の役員であるヴィクトル、「ロヴェル」のCEOであり執拗に「ルデュ」を攻撃するディアーヌ・ロヴェルなど、癖の強い人物たちが老舗ブランドの行方を巡って火花を散らす。
ざっくりしたあらすじ※ネタバレ注意
フランスを代表する老舗独立系ファッションブランド「ルデュ」のレース工場。ここで作られた商品は本社のアトリエに送られ、オートクチュールの逸品として完成する。
今回のクライアントは韓国の資産家。依頼された商品は新郎新婦とブライズメイドのためのブライダルドレス一式。ある建物の貴賓室では「ルデュ」のクリエイティブ・ディレクターであるヴィンセント・ルデュと彼の右腕であるペルル・フォスターがクライアントを出迎えていた。
準備したドレスを酷評された上に作り直しをすることになったヴィンセントは、ひどく憤慨する。しかし、ブランドの100周年を記念したショーを開催するためには仕事を選んでいられない。
エレベーターを待つ2人の前にライバルブランド「ロヴェル」のヴィクトル・ルデュがドレスを持った部下を連れて現れる。ヴィクトルはヴィンセントの弟である。「ロヴェル」は「ルデュ」の客を狙っていたのだった。双方の間に険悪な雰囲気が漂う。
場所は変わって、ヴィンセントの芸術文化勲章「コマンドール」の授与式。大臣のスピーチの最中、ペルルの携帯が鳴る。静かにその場を去るペルル。
授賞式後のアフターパーティ。招待客と談笑していたヴィンセントはペルルの姿を見つけ、何があったのかと尋ねる。言い淀むペルルだったが、韓国のクライアントが「ロヴェル」のドレスを選んだのだと報告する。血相を変えてベランダに飛び出したヴィンセントは人目も憚らず大声で悪態をつき始める。
同じくパーティ会場の使われていない部屋では、ヴィンセントの甥であるロバンソンが招待客と情事に耽っていた。その時、スタッフルームから女性の忍び笑いとヴィンセントの怒鳴り声が聞こえてくる。招待客を置き去りにして様子を見に行ったロバンソン。女性スタッフが先程のヴィンセントの醜態をこっそり動画で撮影していたのだった。携帯を取り上げ、内容を確認したロバンソンはヴィンセントの悪態の中に致命的な差別発言が含まれていることを知る。動画を削除しようとしたが一瞬考え直し、動画を自分宛に送信してから改めて削除し、スタッフを脅してから携帯を返す。
その日の夜、「ルデュ」本社の門から中庭の様子を伺う1人の若者の姿があった。近づいてきた警備員に中庭を見せてほしいと頼むが断られる。パロマ・カステルと名乗り、昔父親がこの場所で働いていて自分も住んでいたと言うが暖簾に腕押し。
その時、本社の中から黒いゴミ袋を幾つも運び出す男たちの姿が。それを見たパロマは大人しく引き下がる。
パロマは車で待っていた友人のイェジに男たちが乗った車を追うように指示する。車は大きな工場のような建物の中に入っていった。2人も後からこっそり忍び込む。そこは、発表できなくなったブランド物の服が大量に集まる廃棄場だった。男たちは持ってきたゴミ袋の中身をベルトコンベアに流し、何処かへ立ち去る。パロマとイェジはそのタイミングを見計らってゴミ袋を拾ってベルトコンベア上の服をかき集める。警備員に見つかり逃げ出す2人。
同じ夜、ペルルは自分のアパートで寛いでいた。そこにはヴィクトルの姿が。「ロヴェル」のCEOの娘婿であるヴィクトルはペルルと不倫関係にあった。
翌朝、遅刻して出社したペルル。ヴィンセントにパロマ・カステルのブランド「ドッペル」からショーの誘いを受けたことを告げる。何も答えずに話を逸らすヴィンセント。
「ドッペル」のアトリエでは、今夜行うショーの準備が進められていた。作業を一旦中断させ、廃棄場から集めた素材を使って一から服を作り直すと提案するパロマ。
「ロヴェル」の本社では、CEOのディアーヌと秘書のルーシー、娘のカロリーヌとその夫ヴィクトルの4人がディアーヌの携帯に映った動画を見つめていた。それは授賞式後のアフターパーティでヴィンセントが晒した醜態を撮った映像だった。ヴィクトルが出どこを尋ねるも、はぐらかすルーシー。すでにディアーヌはこの動画をマスメディアにリークしていた。
ニュースは即座に広まり、100周年記念のショーを準備してた「ルデュ」本社に激震が走る。ヴィンセントとペルル、ロバンソンの3人が緊急で会議をしている中、ヴィンセントの妹でありロバンソンの母であるマリーが入ってくる。今までのヴィンセントの行動から、今回は手を貸さないとキッパリ言い放つマリー。
騒ぎを押さえ込むようヴィンセントに進言するペルルだが、彼は自分の非を認めようとせず、謝罪動画の撮影にも非協力的。次々と招待客からキャンセルの知らせが届く。ロバンソンはやむを得ずインフルエンサーに声をかけるよう部下に命じる。
「ロヴェル」本社。「ルデュ」が格安で手に入ると喜ぶディアーヌ。しかし、ヴィクトルは自分も家族も売る気は無いと突っぱねる。現在ディアーヌが持つCEOの座を自分に譲るのであれば「ルデュ」が買収できるよう取り計らうと交渉する。夫に出し抜かれても良いのかと娘であるカロリーヌに発破をかけるディアーヌだが、カロリーヌは何も言わない。あきれた表情を見せ、ヴィクトルにCEOの座を譲ると約束するディアーヌ。
「ドッペル」のショーは奇抜な発想のオープニングでスタートする。ヴィンセントのゴシップ動画を流しながら、「ロヴェル」や「ルデュ」をはじめとした大手ブランドの資本主義体制を批難するメッセージを発信する。高評価を得てショーは終了。アフターパーティでパロマの前にヴィクトルが挨拶にやってくる。パロマの手腕を評価した上で「ロヴェル」に加わるよう勧誘する。しかし、そこへペルルが現れるとヴィクトルはあっさり引き下がる。ペルルもまたパロマの実力を認め、その場を後にする。
その日の夜、ヴィクトルの家。彼はマリーに対して今でもCEOになりたいかと尋ねる。マリーは答えを保留し、逆にヴィクトルに対して家族の絆を壊してでも「ルデュ」を潰せるかと尋ねる。
ヴィンセントの部屋。本心から謝るようヴィンセントを説得するペルル。ヴィンセントは25年ぶりにショーに出るようペルルに懇願する。ペルルを今までアシスタント扱いしてきたことを謝罪した上で、ショーの後で彼女をディレクターに任命することを約束する。しかし彼女はヴィンセントの駒にされることを良しとしない。
「ルデュ」100周年のショー本番当日。会場の前には抗議に集まった人たち。客席は半分が空席。来場してきた客もプチプラメイクに安っぽい服装のインフルエンサーが混ざっており異様な雰囲気である。バックヤードではステージ衣装に着替え鏡の前で硬い表情をしているペルルの姿がある。
ショーが始まるが、完全にアウェイ状態でモデルたちはストレスを感じている。そしてショーの後半、肝心のペルルが姿を消した。
ざっくりした人物紹介と相関
ヴィンセント・”ヴァンサン”・ルデュ
演:ランベール・ウィルソン
フランスを代表する独立系ファッションブランド「ルデュ」のクリエイティブ・ディレクター。身内から「頑固であまり人を信用しない」と評される。
ヴィクトル・ルデュ
演:ピエール・ドゥラドンシャン
ヴィンセントの弟。ライバルブランド「ロヴェル」のCEOであるディアーヌ・ロヴェルの娘婿。ヴィンセントに対して恨みを持っている。
マリー・ルデュ
演:アンヌ・コンシニ
ヴィンセントの妹でヴィクトルの姉。ルデュの広報を担当している。NPO法人を運営している。
ロバンソン・ルデュ
演:アントワーヌ・レナルツ
マリーの息子。ルデュのデザイナーだが、過去にコレクションを発表して失敗しておりヴィンセントや母のマリーからは見放されている。
ペルル・フォスター
演:アミラ・カサール
元ルデュのミューズで、現在はヴィンセントの下で働いている。ヴィクトルとは不倫関係にある。
ディアーヌ・ロヴェル
演:キャロル・ブーケ
「ルデュ」のライバルブランド「ロヴェル」のCEO。ルデュに対して異常な執着をみせる。
カロリーヌ・ロヴェル
演:フロランス・ロワレ・カイエ
ディアーヌの娘でヴィクトルの妻。母からは経営の才能がないと見放されている。
パロマ・カステル
演:ジタ・ハンロット
環境保全に熱心な若手デザイナー。相棒のイェジと立ち上げたブランド「ドッペル」で活動している。野心家で資本主義に対して好戦的なスタンスをとる。亡き父親は元ルデュのデザイナーでヴィンセントの恋人であった。
イェジ・キム
演:パク・ジミン
パロマの相棒。
ソラル・バティタナ
演:コレンティン・フィラ
ルデュの従業員。ロバンソンと関係を持っている。
キャストと吹き替え
役名 | 役者 | 吹き替え |
ヴィンセント・”ヴァンサン”・ルデュ | ランベール・ウィルソン | 宮本充 |
ペルル・フォスター | アミラ・カサール | 渡辺美佐 |
ヴィクトル・ルデュ | ピエール・ドゥラドンシャン | 川田紳司 |
ロバンソン・ルデュ | アントワーヌ・レナルツ | 塩崎智弘 |
ディアーヌ・ロヴェル | フロランス・ロワレ・カイエ | 野沢由香里 |
パロマ・カステル | ジタ・ハンロット | 泊明日菜 |
カロリーヌ・ロヴェル | フロランス・ロワレ・カイエ | 和優希 |
マリー・ルデュ | アンヌ・コンシニ | 安藤麻吹 |
ソラル・バティタナ | コレンティン・フィラ | 星祐樹 |
イェジ・キム | パク・ジミン | 田村真央 |
※SNSなどで役者や所属事務所などが自己申告している情報も掲載しています。
キャストのみの表記
夏目あり沙、越後屋コースケ、小松千紗都、高野憲太朗、藍谷早咲、中村綾、藤井雄太、島田高虎
ざっくりとした所感
宮本さんが吹き替えを担当するヴィンセントは『プラダを着た悪魔』の編集長みたいなパワハラ系の傲慢なアートディレクター。目的のために自分を律することができないという点では『プラダ〜』の人より幼稚である。さらに、自分の置かれた立場を理解できておらず、社会人として最も重要な「機を見て謝罪する能力」が欠如している。ここまでマイナス要素が多いキャラクターも珍しい。現実世界には結構いると思うけど。まだ序盤なのでどういう方向性にもって行くか見当もつかないが、家族の再生というテーマなら多分なんやかんやで大団円にもっていくのだろうが、フランスの作品なので斜め上に飛んでいくかもしれない。
ところで、レストランとファッション業界を題材にした作品はハラスメントが当然のようにある前提で話を進めるけど、そのイメージを定着させるのは業界的にまずいのではないか。後に続く人たちが好んでそんな業界に入りたがるだろうか。あと、フランス作品あるあるだけどセックスシーン多すぎ。匂いがこもるからせめて職場ではするなよ。
他の話へのリンク
第1話「17秒」
第2話「親の七光り」
第3話「家族写真」
第4話「ディヴォルセ」
第5話「この親にしてこの子あり」
第6話「瓶の中のメッセージ」
第7話「バラ色の人生」
第8話「大転換」
第9話「ルデュかルデュでないか」
第10話「死の島」