力の指輪 シーズン1 第1話「過去の影」【Amazon prime】

宮本さんが出演されているということで、Amazon primeオリジナル連続ドラマ『力の指輪』を追いかけることにした。原作は読んだことがないけど、一応『ロードオブザリング』も『ホビット』も全作視聴済み。でもずいぶん前なので設定とか登場人物とかあまり覚えてない。

この作品は『ロードオブザリング』のオリジンって言っていいのか、とりあえず映画版で展開されていた頃よりも前の時代の話。とはいえ、映画版とは監督もキャストも違うからマルチバースだと思ってみることにする。

ざっくりした作品紹介

原作はイギリス人作家J・R・R・トールキンの長編ファンタジー『指輪物語』。

舞台は遥か昔の地球。中つ国と呼ばれる世界には人間の他にもドワーフやエルフ、ホビットといった多様な種族が生活していた。

冥王モルゴスとの戦いが終結したのち、エルフたちに協力した人間には豊かな国ヌーメノールが与えられ、モルゴスに味方した人間は南方の地に追いやられエルフの監視下に置かれた。

モルゴスの配下であったサウロンが姿を消して数世紀、もはや脅威は過ぎ去ったと思われた。エルフの上級王ギル=ガラドは終戦宣言をするも、サウロンを執拗に追いかけ続けた戦士ガラドリエルの不安は拭い去れない。ガラドリエルは戦果を讃えられ褒美としてエルフの王国「ヴァリノール」に向かう権利を得たが、それを拒み大海を渡る船から単身飛び降りた。再び中つ国へと向かい泳ぎ続けていた途中、海の魔物に船を破壊され遭難していたハルブランドという人間と出会う。

一方、水面下では闇の勢力が南方の国を侵蝕しつつあった。

ざっくりしたあらすじ※ネタバレ注意

エルフの住まう国「ヴァリノール」。幼い日のガラドリエルと兄フィンロドとの語らいの時間。穏やかなるその時、不死性を持つエルフたちの時間は永遠に流れ続けると誰もが信じていた。宿敵モルゴスがエルフの光を奪うまでは。

エルフたちは母国を離れ、遥か彼方の「中つ国」と呼ばれる大陸へ向かい、モルゴスの軍勢と戦った。何世紀も続いた戦いで多くのエルフたちが命を落とした。

モルゴスとの戦いが収束した後も、中つ国の各地ではモルゴスの意志を引き継ぐサウロンが悪しき種族オークたちを傘下に収めて復讐の機会を窺っていた。打倒サウロンを誓ったフィンロドだったが、逆に先手を打たれてしまい、謎の刻印を刻まれて死んだ。フィンロドの意思を継いだ戦士ガラドリエルは、サウロンを始末せんと剣を手に立ち上がる。

それから数世紀後、サウロンを追い続けたガラドリエルたちだったが思うような成果は上がらず、またエルフの間でも邪悪なる者の存在自体が忘れ去られようとしていた。
 
北極の荒地「フォロドワイス」
エルフの精鋭たちを連れたガラドリエルは北の果て「フォロドワイス」でオークの足取りを追う。しかし、王の帰還命令も聞かず強行する彼女の姿勢に対し部下たちは不満を抱いていた。一行は激しい吹雪の中を突き進み、オークたちの隠れ家と思しき城に辿り着く。そこでガラドリエルはサウロンが残した印をついに見つける。その時、暗闇に潜んでいた雪オークがエルフたちに襲いかかってきた。苦戦を強いられる部下を尻目に圧倒的な力でオークを制圧するガラドリエル。さらに北へ向かう決意を固めたが、体力も気力も限界を迎えていた部下たちは彼女に異を唱えた。
 
ハイエルフたちの都「リンドン」
黄金の葉が揺れる森の中で、エルロンドがひとり詩を紡いでいる。そこへ現れた伝令の者がふたつの要件をエルロンドに伝える。ひとつは評議会への参加が拒否されたこと、もうひとつは彼の友人が会いにきたこと。エルロンドは急ぎ友人の元に向かう。式典の場ではガラドリエルがエルロンドを待っていた。彼女は北の荒地で見つけたサウロンの印についてエルロンドに話す。早急に軍隊を再編成するため王に取り次いでもらうようエルロンドに頼むガラドリエル。しかし、彼はいい顔をしない。ガラドリエルに対して王の帰還命令を無視し強行したことを責め、次はないと言い放つ。しかし、結局はガラドリエルの頼みを受け入れるのだった。

式典において、ガラドリエルの部隊は遠征の成果を認められ、褒美として上級王ギル=ガラドよりエルフの地「ヴァリノール」へ帰還する権利を与えられた。式典が終わり、ガラドリエルは兄フィンロドの像の前で物思いに耽る。そこへエルロンドが現れ、ガラドリエルのこれまでの労苦をねぎらう。しかし、ガラドリエルはヴァリノール行きを辞退しようと考えていた。説得しようと試みるエルロンドだが、ガラドリエルの意思は固い。

ガラドリエルの部隊は灰色港から船でヴァリノールへ向かっていた。エルロンドはギル=ガラドに、彼女が未だサウロンへの執着を捨てきれていないことを報告する。そのことを理解していたギル=ガラドだったが、だからこそガラドリエルをヴァリノールへと向かわせた。そして、エルロンドにエルフの中でも最も偉大な名工ケレブリンボールの新たな任務の補佐をするよう命令する。

その夜、上級王ギル=ガラドをはじめとするエルフたちは上空に巨大な流れ星を見た。

足元に落ちた黄金の葉の裏に、ギル=ガラドは不吉な模様を見る。
 
人間の土地「南方国」
先の戦いでモルゴスの側についた人間たちは、エルフによって南方の地に追いやられていた。アロンディルはその土地を警護するシルヴァン・エルフの戦士である。彼は南方国の村「ティルハラド」に住む人間の治療師ブロンウィンと親しい間柄であった。2週間に1度、彼は酒場へ報告を聞きにいくが、その目的はブロンウィンと会うことであった。同僚からエルフと人間が付き合ってもロクな結果になった試しがないと諭されるが、アロンディルの思いは強い。そんな折、上級王から終戦の知らせが届いた。僻地の部隊は解散。それはつまり、ブロンウィンとの別れを意味していた。

後日、アロンディルは隊から離れブロンウィンの家を訪ねていた。別れの前に伝えるべき言葉があったのだ。しかしちょうどその時、村人が牛を診察してもらうべくブロンウィンを訪ねてきた。彼女とともに現れたアロンディルに不審の目を向ける村人。村人曰く、何日か前に東の丘で食べた草が原因ではないかと疑っているという。アロンディルが牛の乳を絞ると、黒いタールのようなものが流れ出てきた。草を食べた場所はここから遠くない「ホルデルン」という村のあたり。アロンディルとブロンウィンは何が起こっているのかを知るべくそこへ向かった。

一方、ブロンウィンの息子テオは、村の青年が納屋の中で発見したというある物を見に来ていた。テオが床下を漁ると、黒い手の様な形をした鋼の物体が出てきた。テオには知る由もなかったが、そこにはサウロンの印が刻まれていた。

夕暮れ時、ホルデルンへと向かうアロンディルとブロンウィン。彼女がその村の出身者だったことが判明する。二人が丘の上に到達した時、見下ろした先にある村は炎に包まれていた。

その日の夜、2人は空に赤く輝く巨大な流れ星を見た。
 
大河アンドゥインの東の荒地「ロヴァニオン」
旅をする2人の人間。周囲に何か気配を感じる。年嵩の旅人が相棒の若い旅人に「ハーフット」だと教える。物騒な連中だからと足早に過ぎ去った後、彼らの様子を草場から伺っていた何者かが、仲間たちに声をかける。すると、茂みの中や木の影に隠れていたものたちが這い出してきた。常に移動して生活をしている小人族のハーフットである。彼らの長であるサドクは季節外れの旅人たちに疑問を持つ。仲間の者たちは不吉な予兆だと噂する。

ハーフットの夫婦、ラルゴとゴールディが夕食の時間に子どもたちを探していた頃、2人の子どもであるノーリは他の子どもたちを連れて大人たちから立ち入りを禁止されている廃墟を探索していた。ベリーの豊富な場所を見つけた子どもたちは夢中で食べはじめる。ノーリはそこでオオカミの足跡を見つけると、大慌てで子どもたちを連れて大人たちがいる場所へ戻って行った。

帰ってきたノーリはラルゴから旅人たちの話を聞く。夕食の支度をするゴールディの手伝いをしている間も、ノーリは旅人たちとオオカミについて考えていた。南の方で異変が起きているかもしれない。外の世界に想いを巡らすノーリに対し、ゴールディはハーフットとして生きる心構えを教える。何者にも縛られず、仲間たちから逸れず、季節の変わり目とともに移動して生きることを。

夕方、族長のサドクは新たに生まれた星を見上げながら、度重なる予兆が何を意味するのか思案していた。そこに突然現れるノーリ。興味津々に何が起こっているのかサドクに質問するも、取り合ってもらえない。ただ、星の様子がおかしいことだけは聞いた。

その夜、空から流れてきた巨大な星がノーリたちの居る場所の近くに落ちた。

星が落ちた場所で、ノーリは倒れている髭を生やした全裸の大男を見つける。
 
「分かちの海」
ガラドリエルたちを乗せた船は、中つ国を遠く離れてヴァリノールへ向かっていた。大気が裂け、光が満ち溢れる。船上の者たちは身につけた装備を解除し、まもなく楽園への扉が開かれるのを待つ。その時、兄の言葉を思い返したガラドリエルは光に背を向け、短剣のみを携えて船から飛び降りる。船は光に吸い込まれるようにして消えていき、ヴァリノールへの扉は閉ざされた。ガラドリエルは暗い海にひとり光が消えるのを見つめていた。

ざっくりした人物紹介と相関

ガラドリエル

演:モーフィッド・クラーク
名高いエルフの戦士。亡き兄の意志を引き継ぎ、闇との戦いに終止符を打つため執拗なまでにサウロンを追い続ける。

フィンロド

演:ウィル・フレッチャー
エルフの戦士でガラドリエルの兄であった。サウロンを追っていたが、逆に奇襲を受けてしまい命を落とす。

エルロンド

演:ロバート・アラマヨ
文学に精通したエルフの高官。有能な政治家でありガラドリエルの友人でもある。

ギル=ガラド

演:ベンジャミン・ウォーカー
エルフの上級王。

ケレブリンボール

演:チャールズ・エドワーズ
エルフで最も偉大と言われている名工。

ノーリ

演:マルケラ・カヴェナー
ハーフット族の子ども。好奇心旺盛で責任感が強い。フルネームはエラノール・ブランディフット。

ポピー

演:メーガン・リチャーズ
ハーフット族の子ども。ノーリの親友。少しおっとりしているがノーリよりも用心深い。

サドク

演:レニー・ヘンリー
ハーフット族の族長。豊富な知識と経験を持つ。

ラルゴ

演:ディラン・スミス
ハーフット族でノーリの父親。鷹揚な性格でノーリを見守る。詮索好きらしい。

ゴールディ

演:サラ・ズワンゴバニ
ハーフット族でノーリの母親。家族を大事に思っている。やや保守的な考えをもつ。

アロンディル

演: イスマエル・クルス・コルドバ
シルヴァン・エルフの戦士。80年近く南方国を警護する任務についている。戦争の前は農民をしていた。

ブロンウィン

演:ナザニン・ボニアディ
南方国の村ティルハラドで治療師をしている人間。ホルデルン出身。アロンディルとは懇意な間柄。

テオ

演:タイロエ・ムハフィディン
ブロンウィンの息子。

ワルドレグ

演:ジェフ・モレル
南方国で酒場を営んでいる人間。

キャストと吹き替え

役名役者吹き替え
ガラドリエルモーフィッド・クラーク行成とあ
エルロンドロバート・アラマヨ清水優譲
ノーリマルケラ・カヴェナー佐藤里緒
アロンディルイスマエル・クルス・コルドバ小松史法
ブロンウィンナザニン・ボニアディ渋谷はるか
フィンロドウィル・フレッチャー福田賢二
ギル=ガラドベンジャミン・ウォーカー加瀬康之
ポピーメーガン・リチャーズ大平あひる
ラルゴディラン・スミス村治学
ゴールディサラ・ズワンゴバニ藤貴子
サドクレニー・ヘンリー辻親八
テオタイロエ・ムハフィディン林幸矢

※メディアで公表されている情報、SNSなどで役者や所属事務所などが自己申告している情報も掲載しています。

キャストのみの表記

谷昌樹、玉野井直樹、久行敬子(マルヴァ)、逢笠恵祐、田中有紀、関口雄吾、本宮佳奈(ディリー)、鈴木咲(ヴィルマ)、石原辰己(漁師)、荘司勝也、俊藤光利、松田裕市(メーゾル)

ざっくりとした所感

とりあえず導入編。キャラクターの性格がわかる様なエピソードを交えつつ、現状の把握とそれぞれの目的を明確にしていく。セオリー通りの展開。ただ、群像劇なので集中して見ないとあっという間に取り残されそうな感はある。人の名前を覚えるのが得意ではないので、文章にして整理しないと「一体、誰の話をしているのだ」ということになりかねない。
とりあえず映画に出てない初見メンバーの中で、目力の強いアロンディルは覚えた。ルイス・クーや渡瀬恒彦と同系統のアクの強さを感じる。是非とも盛大なアクションをかましてもらいたい。

話が逸れるけど、個人的にルイス・クー好きなんだよ。ヘンテコな映画のヘンテコな役をあの眼光鋭い顔で大真面目に演じるところが面白い。

それはさておき、宮本さんのケレブリンボールはラストシーンにちらっと出ただけでまだ喋らないけど、今後出番が増えていくと期待している。

他の話へのリンク

シーズン1 第1話「過去の影」

木野 エルゴ

自由と孤独を愛する素浪人。映画と旅行、料理その他諸々趣味が多い。俳優・声優の宮本充さんの吹き替え作品ファン。

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