宮本さん目当てで1話分だけ見た『アストリッドとラファエル』(NHKで放送)が思いのほか面白かったので、字幕ではあるがU-NEXTで第1シリーズを全部見た。
その後NHKで吹き替え版が再放送していたので全録。キャストを見たらゲストまでしっかりキャスティングされていた。そこは流石のNHK。NHK放送の吹き替え海外ドラマはソフト化や動画配信があまりされないので、録画するのがベター。
Contents
ざっくりした作品紹介
フランス制作の刑事ドラマ。抜群の洞察力と犯罪調査の知識を持つ文書係のアストリッドと、人一倍強い正義感と行動力を持つ警視ラファエルという対照的な二人が謎に包まれた事件を解決していく。
自閉スペクトラム症(ASD)の傾向があり、成人後見人を必要とするアストリッド・ニールセンは犯罪資料局で文書係をしている。決めたルーチンを外れると混乱し、人と関係を築くのが難しいアストリッドだが、ずば抜けた洞察力と膨大な犯罪資料の知識があった。そのことに気がついたパリ警視庁の警視ラファエル・コストはアストリッドに捜査の協力を依頼する。
ざっくりしたあらすじ
医師のリオネル・ルノワールが自身の口座から金を引き出したのち、灯油を被って焼身自殺を図った。自殺のまま事件をクローズしようとしたパリ警視庁のラファエル・コスト警視は、上司のカール・バシェール警視正から事件を詳しく調べるように言い渡される。渋々犯罪資料局に赴き事件に関する資料を依頼したラファエルだったが、届けられた資料に頼んでいないものが混ざっていることに気がつく。しかしそれは、確かに今回の事件に関係するものだった。資料を持ってきた文書係のアストリッド・ニールセンと直接話をしたラファエルは、彼女が膨大な犯罪捜査の知識と並外れた洞察力の持ち主であることに気が付き、捜査の協力を依頼する。
今回のパズル:九つの点
3×3に並んだ九つの点を4つの直線で全て結ぶ問題。
今回の事件関係者
リオネル・ルノワール
今回の被害者。医師。
ドニ・ネドリー
2年前にホテルで自殺した医師。
グラント
首を括って自殺した児童精神科医。
ヤン・マルコム
ノジカール研究所のイベント部長。
ヴィオレッタ・フローレス
ホテルの清掃員。
ざっくりした人物紹介と相関
アストリッド・ニールセン
演:サラ・モーテンセン
犯罪資料局で10年間務めている文書係。自閉スペクトラム症(ASD)の傾向があり、資料局の局長であるアラン・ガイヤールが成人後見人を務めている。パズルと犯罪調査に強い関心を抱いており、謎が解けるまでは他のことに手がつかなくなる。生魚は食べません。串焼きのセットは好きです。
ラファエル・コスト
演:ローラ・ドベール
パリ警視庁犯罪課の警視。猪突猛進で無理難題は力で押し切るタイプ。ただし、人に対しては柔軟な対応で接し、自分の行動や考えを相手に合わせることも厭わない。テオという子どもがいるが、親権は元夫が保有しており、面会日にしか会うことができない。
ニコラ・ペラン
演:ブノワ・ミシェル
ラファエルの相棒。芸術や文学、言語に関する知識は豊富だが、一般大衆が好むような音楽やテレビには疎いらしい。ラファエルの自宅で手料理を振る舞う程度には信頼されている。
アンリ・フルニエ
演:ウスキ・キアル
ベテラン監察医。腕は悪くないようだがプライドが高く、アストリッドに検死の見落としを指摘されて臍を曲げることも。
カール・バシェール警視正
演:ダニエル・ンジョ・ロペ
ラファエルの上司。規範に忠実なタイプで保守的。そのためラファエルとはあまりソリが合わない様子。
アンギュス・ニールセン
演:アリオシャ・イトビッチ
アストリッドの父親。故人。犯罪課の刑事だった。
アラン・ガイヤール
演:ジョフロワ・チボー
犯罪資料局の局長。アンギュスの友人だった。アストリッドの成人後見人を務めている。
ウィリアム
演:ジャン・ブノワ・スイル
アストリッドが参加する「自閉症友好会」の主催者。自身も自閉スペクトラム症(ASD)の傾向がある。パソコンと電車に目がない。
ジル・ラプラス
演:ローラン・レヴィ
犯罪資料局の受付職員。
キャストと吹き替え
役名 | 役者 | 吹き替え |
アストリッド・ニールセン | サラ・モーテンセン | 貫地谷しほり |
ラファエル・コスト | ローラ・ドベール | 林真里花 |
ニコラ・ペラン | ブノワ・ミシェル | 川田紳司 |
アンリ・フルニエ | ウスキ・キアル | 佐々木睦 |
テオ | ティミ・ジョイ・マルボ | 大平あひる |
アンギュス・ニールセン | アリオシャ・イトビッチ | 前田一世 |
カール・バシェール | ダニエル・ンジョ・ロベ | 藤真秀 |
アラン・ガイヤール | ジョフロワ・チボー | 伊藤和晃 |
ウィリアム | ジャン・ブノワ・スイル | 粟野志門 |
キャストのみの表記
小形満、兒林美沙紀、山本兼平、後藤光祐、上田燿司、増岡裕子、きそひろこ、古木海帆、金田愛、槙野旦、荒井勇樹、時永ヨウ、反町有里、吉田丈一郎、永宝千晶、木下浩之、野川雅史、岩崎正寛、塩崎智弘、岡本幸輔
※NHKでは前編/後編に分けて放送。ここに記載したキャストは前後編合わせたもの。
ざっくりした所感
若干BBCの「SHERLOCK」と近い雰囲気がある。超人的な洞察力と記憶力を持つ社会に迎合しづらい者と、面倒見が良く行動力のある相棒。とはいえシャーロックは知覚聴覚過敏やパニック発作といったネガティブな描写はほとんどなく、コミュニケーション能力も乏しいとは言い難い。ちょっと変わった人レベルなのに対し、アストリッドは自閉症由来と思われる過敏反応で社会的な弊害をモロに受けている。自閉症に対する社会的な認知が昔よりも高くなり、より細かく描写されるようになったと言える。「自閉症友好会」のシーンで自閉症から見た社会が語られているのも印象的。
具体的には明言されていないが、ラファエルも注意欠如・多動症(ADHD)の傾向があるような描写がちょいちょい見受けられる。
ところでいくつか気になったことがある。
薬で酩酊状態にさせて自殺を促した場合、殺人になるのだろうか。自殺幇助?あと「薬の扱いが難しいからプロの犯行だ」って話だったけど、あの犯人はどう見ても薬のプロではないだろう。誰かで試験運用したのかな?
ラファエルがアストリッドにテオのお迎えを頼んでいたが、自閉症傾向がある人に初対面の子どものお迎えをひとりで行ってもらうってかなりリスクが高い気がする。テオはアストリッドに近いタイプの子だったから問題なかったけど。
他の話へのリンク
第1話「Puzzle/パズル」
第2話「Hantise 1/呪われた家 前編」第3話「Hantise 2/呪われた家 後編」
第7話「L’Homme qui n’existait pas/存在しない男」
「アストリッドとラファエル 文書係の事件録 第1話「Puzzle/パズル」」への7件のフィードバック