サイロ 第1話「自由の日」【Apple TV+ドラマ】

Apple TV+は定期的に宮本さんを起用してくれるのがありがたい。なにより、他の動画配信系に比べて吹き替えの質が安定しているし、知名度よりも役にあっているか否かを重視してキャスティングしているように見えるところが良い。

というわけで、今回はApple TV+の新作『サイロ』を追いかけることした。

ざっくりした作品紹介

原作はヒュー・ハウイー作のベストセラーSF小説『WOOL』。

有毒物質が蔓延し、荒廃したことにより地上で暮らせなくなった人類は、地下に巨大サイロを構築。140年前に反乱が起こり、反乱軍は以前のデータや本を全て廃棄。鎮圧された反乱軍は地上に追放され、140年前の過去を知るものたちも皆炭鉱に送られた。現在あるのは絶対不可侵な「協定」と呼ばれる規範。人々は司法部はじめ上層部の監視下で生活を送っていた。

ウール 上 (角川文庫)
著者:ヒュー・ハウイー 訳:雨海弘美

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ウール 下 (角川文庫)
著者:ヒュー・ハウイー 訳:雨海弘美

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シフト (上) (角川文庫)
著者:ヒュー・ハウイー 訳:雨海弘美

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シフト (下) (角川文庫)
著者:ヒュー・ハウイー 訳:雨海弘美

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ダスト (上) (角川文庫)
著者:ヒュー・ハウイー 訳:雨海弘美

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ダスト (下) (角川文庫)
著者:ヒュー・ハウイー 訳:雨海弘美

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ざっくりしたあらすじ

「自由の日」とは、140年前にサイロで起こった反乱が鎮圧された日を指す。この日は祝祭になっており、町中で催し物やセレモニーが行われる。

この日、市場の一角にあるプログラマーの部屋で、IT部に所属するアリソン・ベッカーは知ってはならないサイロの秘密を覗いてしまった。そして彼女はサイロを去った。

その3年後、アリソンの夫であり保安官であるホルストンは、ある確信を持ってサイロの外に出る決意をする。

ざっくりした人物紹介と相関

ホルストン・ベッカー

演:デヴィッド・オイェロウォ

サイロを管理する保安官。職務に忠実だが、頑固で融通が効かないところがある。

アリソン・ベッカー

演:ラシダ・ジョーンズ

ホルストンの妻。IT部に所属しており、依頼を受けてデータの修理等を行なっている。過去に2回「生殖許可」を受けていたが失敗。今回が子どもを作る最後のチャンスである。

ルース・ジャンズ

演:ジェラルディン・ジェームズ

ホルストンが住んでいる区画を取り仕切る市長。

サム・マーンズ

演:ウィル・パットン

サイロを管理する副保安官。ホルストンの相棒。好々爺。まじめで人当たりがいい。怒るとやや口調が荒くなる。

バーナード

演:ティム・ロビンス

IT部の部長で、アリソンの上司。部下にはあまり好かれていないようである。

グロリア・ヒルデブラント

演:ソフィー・トンプソン

アリソンに声を掛ける自称妊娠カウンセラー。

ジョージ・ウィルキンス

演:フェルディナンド・キングズリー

市場に住んでいるプログラマー兼電気屋。「自由の日」にアリソンに修理を依頼した。

キャストと吹き替え

役名役者吹き替え
マーンズウィル・パットン宮本充
バーナードティム・ロビンス森田順平
ホルストン・ベッカーデヴィッド・オイェロウォ飯島肇

※SNSなどで役者や所属事務所などが自己申告している情報も掲載しています。

キャストのみの表記

千田ミヤコ、一城みゆ希、松原亮、橋爪千明、遠藤大智、武田太一、露木徳幸、うえだ星子、宮田純、秋山絵理、飯島肇、弘松芹香、枝元萌、松川裕輝、罍陽子、ボルケーノ太田、JUDY.、NAMNE、Sangdei、𡚴〜akebi〜

ざっくりした所感

歴史の改竄、情報統制、過剰なまでの規則など、設定がジョージ・オーウェルの『1984年』と類似している。ディストピアSFの王道をなぞっているという印象。懐妊を望んでいる夫婦を最初のストーリーテラーとして選んだのはうまいなと思った。夫婦というミニマムな問題とサイロという全体の問題が、ホルストンとアリソンの立場を利用してバランスよく両立できていた。

また、相手の属性からくる社会的な偏見や思い込みが言葉の信頼性を下げてしまう、という例がストレートに表現されていて考えさせられた。「女は感情的である、女は直感的に物事を判断する、妊娠を望んでいる女は情緒が不安定」という偏見や思い込みから、夫のホルストンは妻アリソンの言葉を最後まで信じなかった。それとは対照に、市長の言葉はその権威の力からほぼ全ての住民が真実だと信じ込む。そういうパワーバランスもこの作品の面白さかなと思う。

ところで、宮本さんはティム・ロビンスの吹き替えだと勝手に思い込んでいた。というのも『未来は今』という作品で吹き替えをしていたので。いやー、ティム・ロビンスも貫禄がついたなぁ。

他の話へのリンク

第1話「自由の日」

第2話「ホルストンの選択」

第3話「機械」

第4話「真実」

第5話「用務員の息子」

第6話「遺物」

第7話「炎の番人」

第8話「ハンナ」

第9話「逃走」

第10話「外の世界」

木野 エルゴ

自由と孤独を愛する素浪人。映画と旅行、料理その他諸々趣味が多い。俳優・声優の宮本充さんの吹き替え作品ファン。

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