ヨドコウ迎賓館

芦屋を見下ろす巨匠の名建築〜ヨドコウ迎賓館〜

名建築を巡るスタンプラリーが開催されているので、気分転換に普段行かない場所に行ってきた。

六甲山の中腹に位置する「ヨドコウ迎賓館(旧山邑家住宅)」

 

ヨドコウ迎賓館

近代建築の巨匠と呼ばれたフランク・ロイド・ライトが1924年に設計した、芦屋の酒造「櫻正宗」の八代目山邑太左衛門の別邸。現在はヨドコウ(淀川製鋼所)の所有で一般に公開されている。ちなみに入場料は500円。

フランク・ロイド・ライトが設計した建物は他に「帝国ホテル」「グッゲンハイム美術館」などがある。

4階建ての鉄筋コンクリート製で、土台や外壁の装飾に石材(大谷石)、柱には木材(マホガニー)が使われている。

珍しい建物が好きだが建築にはあまり詳しくないので、フランク・ロイド・ライトについて調べたところ、いくつか特徴があるらしい。

  1. 屋根が低く抑えられ、水平方向が強調されている(プレイリースタイル)
  2. 幾何学的な装飾
  3. 入口を狭く小さくすることで、室内を広く見せる

たしかに特徴的な装飾が窓や扉に施されていた。人工的な直線の窓から見える自然とのコントラストが素晴らしく、大正時代に造られたとは思えないぐらいモダンでかっこいい。

ヨドコウ迎賓館
ヨドコウ迎賓館

個人的に気に入った空間その1「応接室」

左右対称に作られた室内の美しさもさることながら、バルコニーに通じる中央の大きな扉と、天井部分に作られた多数の小さな窓から差し込む光がめちゃくちゃ荘厳。こんなところで接客されたら部屋に見惚れて話が耳に入らない。

個人的に気に入った空間その2「和室」

当初の設計には無かったが、依頼主の希望で作られたと説明ボードに書いてあった。アメリカ人のライトがポンド・ヤード法で作った設計を、ライトから建築を引き継いだ遠藤新が日本の測量法に合わせて調整したらしい。一般的な和室とは違ったなんとも不思議な空間だった。

ヨドコウ迎賓館

個人的に気に入った空間その3「書斎」

コンパクトな造りながらも、あらゆる扉や窓が方々に設置されており、各部屋との繋がりが感じられる。他の部屋と同じく光の差し込み方が美しい。この部屋のために再現された机と椅子も独創的。しかも座れる。

個人的に気に入った空間その4「バルコニー」

4階の食堂からバルコニーに出ると六甲山の自然が目に映る。振り返ると石造の装飾が美しい、建物の要素を凝縮したような4階の外壁と屋根部分が見える。バルコニーの突き当たりには巨大な煙突の塔があり、その下に位置する3階のバルコニーに通じる狭く低い階段を抜けると、芦屋の街並みが視界全体に広がる。計算し尽くされた建築の凄みを感じた。

ヨドコウ迎賓館
ヨドコウ迎賓館
ヨドコウ迎賓館
ヨドコウ迎賓館

帰り道。何気ない街中の風景にこんな綺麗な風景が見られるなんて、流石は芦屋。兵庫でも屈指の高級住宅地なだけのことはある。

芦屋川

ついでに近くの人気パン屋さん「パイクとそら」で揚げパン買った。阪急線のすぐそばにある路地裏のおしゃれで小さなパン屋兼カフェ。揚げパンの概念が変わるぐらいライトでサクモチな食感が良き。

パイクとそら

木野 エルゴ

自由と孤独を愛する素浪人。映画と旅行、料理その他諸々趣味が多い。俳優・声優の宮本充さんの吹き替え作品ファン。

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