原作:ヘレーン・ハンフ
脚色:吉岩正晴
演出:河田園子
上演期間:2016/08/17〜2016/08/21
会場:Pit昴
「チャリングクロス街84番地」のポストトークのメモと記憶を基に書き起こしたもの。簡略化、書き言葉なのはご容赦ください。
いつも通り、内容はこんな事言ってたかもくらいの緩いニュアンスで。
Contents
ポストトークの参加キャスト
ヘレーン・ハンフ:望木祐子
フランク・ドエル:宮本充
メガン・ウェルズ:林佳代子
セシリー・ファー:佐藤しのぶ
ジョーン・トッド:落合るみ
ウィリアム・ハンフリーズ:桑原良太
マクシーン・スチュアート:一柳みる(司会進行)
演出:河田園子
一柳みるさん(マクシーン・スチュアート)
今回の司会進行役
急遽2回公演になった事で時間が短くなってしまった事への謝辞。
この作品が30年以上にわたって何度も上演され、劇団にとって大変重要な作品であるという解説。
ここからは出演者、演出家への質問。
望木祐子さん(ヘレーン・ハンフ)
Q.今まで何度もこの作品に繰り返し出演し、今回も発起人としてこの作品を選んだわけだが、なぜそこまでこの作品にこだわるのか?
A.演じたヘレーンは自分とは全く違う女性。しかし演じるほどに彼女のこだわりやユーモア、孤独に強く惹かれた。機会があればまた演じたい。
宮本充さん(フランク・ドエル)
Q.膨大な台詞にも関わらず、早い段階でほぼ完璧に覚えていたが、何かコツがあるのか?
A.昔から頭の中で台本のページを写真に残し、それをそのまま読むようなイメージで覚えてきた。いつもの会話劇ではコミュニケーションの流れで覚えていくが、今回は書簡の朗読という事で話に繋がりがなく、覚えるとっかかりを探すのに苦労した。自身の行動(コーヒーを飲む、寒くなってきたのでコートを着るなど)と絡めて覚えていった。しかし練習中、覚えていたはずの行動を一つ忘れ、ワンシーンを丸々飛ばしてしまった。40年くらい前、撮影が入っていた舞台で先輩が色気を出してカメラ目線で芝居をしたところ、その後の芝居を全て忘れてしまったエピソードがあった。
一柳さん「小道具に少しでもイタズラしたら?」
宮本さん「もうダメですね(笑)」
河田園子さん(演出)
Q.この作品を演出するにあたっての苦労は?
A.書簡の朗読という会話劇ではない物語の進め方で、いかに二つの国にまたがる繋がりや空間を表現できるかに苦心した。
林佳代子さん(メガン・ウェルズ)
Q.この作品に参加するにあたっての苦労は?
A.つい先日まで「グリークス」の舞台に立っていたため、他の出演者に比べて稽古が遅れてしまった。そのうえ行動の指示が多く、すべてを記憶する事が大変だった。スタンプを押す位置やリズムを一定にしてなるだけ覚えやすくなる工夫をしたが、ギリギリまで演出が変更されたので本番まで気が抜けなかった。しかも行動にばかり気を取られて、キャラクターにフォーカスできず掴むのに苦労した。宮本さんとは同期で付き合いが長いので、気がつくと仲の良い同僚のようになってしまった。
佐藤しのぶさん(セシリー・ファー)
Q.役についてのエピソード
A.衣装にこだわりがあり、セシリーの衣装は歴史背景的にもあっている。チェックのジャケットやロングスカート、線の入ったナイロンのストッキング、髪型など。線の入ったストッキングは中々入手が難しく、前回の公演で衣装がわざわざ作っていたものを拝借した。
落合るみさん(ジョーン・トッド)
Q.最後の重要なシーンに出てくる役という事で、そこで感じたこと
A.最後の重要なシーンでの登場という芝居の流れを壊しかねない立ち位置だったので、大変緊張感があった。日付など数字に関わる台詞なので、間違えないように細心の注意をはらった。
桑原良太さん(ウィリアム・ハンフリーズ)
Q.今回のカンパニー唯一の若手という事で、感じた事
A.大変緊張感があった。自分のシーンの裏で他の出演者に大きく溜息をつかれたりと精神的にキツイ面もあったが、劇団に所属しているからこそなので大変幸運な経験ができた。自身がアメリカ人的な気質があるので、ちゃんとイギリス人風になっているか不安だった。
宮本さんから稽古の段階でスーツを着ると良いとアドバイスをもらったところ、日に日に演技がそれらしく見えたので、やはり衣装は重要。
2002年の映画版はAmazon Prime Videoで配信中。
原作翻訳本も販売中。
チャーリング・クロス街84番地 [DVD] 主演はアン・バンクロフトとアンソニー・ホプキンズ。 監督は『ジャックナイフ』の デヴィッド・ジョーンズ。 |
チャリング・クロス街84番地-増補版 (中公文庫, ハ6-2) 著者:ヘレーン・ハンフ 翻訳:江藤淳 |
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