用事のついでにブラリと(事前に下調べをして)立ち寄った有馬温泉の旅の後編。
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2日目はロープウェイに乗って、帰りは電車を使おうと思っていたので「有馬・六甲周遊パス」を購入した。一日限定で特定の区間が無料になり、六甲のロープウェイ、ケーブル、山上バスも無料。さらに、金の湯と銀の湯、どちらか一方に使える無料チケットや提携店舗で利用できるクーポンもついて2500円。旅行計画を立てるときは使えそうなクーポンやパスを探しておくとちょっとお得に旅ができる。
Contents
塩と胡椒入れのミュージアム
その名の通り、膨大な量の塩と胡椒入れを集めたミュージアム。
1階の雑貨店ではお土産やポストカード、衣類を販売している。ミュージアムは2階部分。カウンターでチケットを購入すると、カウンター奥にある階段を使って2階に上ることができる。とにかく展示物の数が多い。展示物に説明書きはないのでどの時代のものかは分からない。塩と胡椒にまつわる伝承やトリビアなどが、各部屋で紹介されている。序盤は棚に整理してきれいに並べてあるが、後半は置き場所がなかったのか、ショーケースに所狭しと敷き詰められていた。
よくこんなに集めたものだ。以前行った「貯金箱博物館」に通じるものがあり、一種の狂気を感じる。300円でこれだけのものが見られるのはお得。自分が入った時はお客が誰もいなかったのでじっくり見ることができた。写真撮影がOKだったので、個人的に気に入ったものを何枚かカメラに収めた。
なんの形をイメージしているのかわからないけど、なんかバブルっぽい雰囲気を感じる。
多分牛なんだろうけど、若干マスク・オブ・ゾロっぽい顔をしている。とろんとしたフォルムとセクシーな切れ長の目が良い。
多分キノコ。なんのキノコかはわからないけど、これをあえて塩胡椒入れにしようと思った製作者の意図が知りたい。
太閤の湯殿館
宝くじの収益金から建てられたらしい、豊臣秀吉ゆかりの書や湯殿の発掘風景が展示された資料館。
館内は若干硫黄の香りが漂い、まるで温泉に来たような雰囲気である。昼過ぎに行ったら入館者が自分一人だった。帰る頃に数人入ってきたけど、あまり知られてないのだろうか。展示品の数は少ないけど、入館料200円で昔の蒸し風呂を再現した空間とか、湯殿に関するビデオとかも見られるので、歩き疲れたら気晴らしに一息つく場所としていいかもしれない。
隣に極楽寺があったので御朱印をもらってきた。やはり住職の手書きは良い。
有馬の工房
町の中心部にある「有馬の工房」という建物。誰でも自由に入れて休憩できる。しかもトイレがきれい。
食事処や宿泊施設、工房体験ができる施設になっている。休憩所では有馬温泉の歴史を紹介するビデオが流れている。疲れたらここで一休み。
玩具博物館
金の湯のすぐそばにある玩具博物館。
1階は主にヨーロッパの玩具が売られている。珍しいものも多いので見ていて楽しい。
2階はレストラン、3階は宿泊施設になっている。博物館に行くには、レジカウンターでチケットを購入して、カウンター奥のエレベーターからいけるようになってる。4階から6階部分が展示場になっていて、6階から5階、4階と見るようになっている。
6階は季節ものの展示をしているようで、今はクリスマスに関する作品が展示されている。どこもかしこもクリスマスに関する人形だらけ。これだけ質の高い作品が並んでいるのを見ると、キリスト教という宗教のブランディングの上手さと受容に対する柔軟さを感じることができる。素直に素敵という感想しか出てこない。
5階はぬいぐるみと積み木やブロックの玩具が展示されている。プレイングスペースもあり、実際に遊ぶことができる。モニターやインターネットを必要としないアナログおもちゃを思う存分堪能できる。
4階はからくり人形の展示室になっている。古今東西、あらゆる国籍のアーティストたちの作品が展示されており圧巻。サンダーバードの人形もある。
日本人形。なんでそんな人形を作ったの、普通に怖い。
からくり人形のデモンストレーションコーナーも充実しており、カラクリ人形が実際に動く様子も多く見られる。
有馬の名産コーナーもある。人形筆は文字通り筆の上に小さな人形がついている。
じっくり見ていたら何時間でもいられそうなぐらい点数が多い。時間が合えばスタッフが玩具紹介をしてくれるらしい。子ども大喜び。大人でも楽しめる。特にデザイナーや造形関係の仕事をしている人の感性に響く施設だと思う。
ホテル モルゲンロート
今回宿泊した『ホテル モルゲンロート』はコテージ風のしゃれた外観をしたホテル。一階はモンペルの販売店、となりは飲食店となっており、宿泊施設は2階にある。
チェックインはモンペルのレジカウンターで行うというちょっと風変わりなホテルである。部屋の間取りは1DKトイレ別風呂なしシャワーのみ。レンジと冷蔵庫、IHコンロ、やかんとコップが2種類あるので、インスタント、お弁当などを買ってきて部屋で食べることができる。寝具はベッドも枕も弾力があって○。電灯はリモコンで明るさの調節ができるタイプ。白色と暖色の2種類を選ぶことができる。連泊旅行者を想定しているだけあって、部屋の使い勝手が良い。向かいに銀の湯があるという立地の良さも魅力的。ただ、エレベーターがなく階段のみなので、足の弱い人には不向きかも。
クリスマスシーズンなのでライトアップも華やか。
入り口だけ見るとアメリカ映画に出てきそうな趣がある。
晩ご飯 くつろぎ家の「湯けむり蒸し」
神戸牛と新鮮な野菜を使った蒸し料理「湯けむり蒸し」や、新鮮な魚介類をふんだんに使って白ごはんと一緒に釜で炊いた「くつろぎ釜」で有名なくつろぎ家。人気の店だけあって、開店40分前に行ったらすでに5組ぐらい並んでいた。こういう人気のお店では待つことを厭ってはいけない。1巡目で入ることができれば、その後は予定通りに行動できるのだ。
というわけで、開店直後に即入店。今回はお肉の味を堪能したかったので余計なオプションはつけず「湯けむり蒸し」の「白米」を注文した。ワクワクしながら待っていると、蒸し器に入った目にも鮮やかな神戸牛の薄切り肉がお出まし。
このお肉の下に白菜、椎茸、もやしなどの野菜が入っている。タレはポン酢とゴマだれで。
米粒から炊くので20分強待つことになるのだが、お部屋がとても居心地いいのでいくらでも待てる。
ほかほかの湯気にキラキラ輝く白い粒。食欲をそそる。
デザートは有馬温泉駅の中にも売店がある銘菓、金泉餅。外は焦し醤油でコーティングしてあり、中に餡子が入っている。とても美味しい。
居心地よく、ご飯も最初から最後まで美味しい。ちょっと奮発した甲斐があった晩ごはんであった。
朝ご飯 カフェ・ド・ボウの「パンとコーヒー」
翌朝は早めに金の湯に入り、近くのカフェ・ド・ボウで朝食を取った。周遊パスにクーポンがついていたのでちょっとお安くドリンクをゲット。
2件の建物が繋がっており、坂道の下にある店舗はパン・ド・ボウというパン屋。そこで購入したパンを坂道の上にあるカフェでいただくというシステムになっている。今回は定番のカレーパンと小豆や枝豆、レンコンやパプリカが入った惣菜パンをいただいた。どちらもしっかり美味しい。建物もおしゃれで風情がある。ゆったりした時間を過ごせた。
金の湯・銀の湯
1日目の夜に入ったのが銀の湯。宿泊施設からもらったクーポンで無料だった。
銀の湯はやや小ぶりな入浴施設でロッカーも湯船もやや小さい。サウナがある。お湯は無色透明。時間帯がよかったのか、客は少なくほぼ貸切と言っていい状態だった。
2日目の朝に入ったのが金の湯。周遊パスについていたクーポンで無料だった。
金の湯はロッカーも湯船も銀の湯より大きい。建物の外には無料の足湯がある。ただしサウナはない。湯船はややぬるめの白湯、やや熱め(42度)の金泉と熱め(44度)の金泉の3種類がある。金泉は文字通り黄土色に濁ったお湯で、タオルを漬けると色がついてしまうので要注意。銀泉に比べるとのぼせやすいので、長時間入るのはお勧めしない。朝一番に行ったらすでに何組もお客がいた。帰る頃には混雑していたので、人の少ない時間を探すのは難しいかもしれない。
六甲ロープウェイ
前回は乗れなかったロープウェイ。今回は周遊パスがあるのでチケットをあらためて購入せずに乗れる。
ホテルを出て徒歩で駅まで向かうが、山上にあるだけあって坂道がえぐい。駅の近くには愛宕山公園があり、周辺の紅葉にちょっと疲れが癒えた。鳥たちが温泉の蒸気で多く死んだとされる鳥地獄の石も近くにある。
息切れしながら歩くこと15分程度。ようやく駅に到着。
チェックアウト後だったので荷物をロッカーに預けて並んだら、後ろの方だった。なんとか窓のそばを確保できたが、柱が邪魔で結構窮屈。ガイドの話はとても面白かったが、解説している方角がよく見えなかったのでちょっと残念な感じになった。
10分程度で六甲山頂駅に到着。駅中にはロープウェイの滑車や原動機を見ることができる場所がある。
とりあえずガーデンテラスまでいくことにした。これといった目的はなかったが、テラスから海を望み、お土産を買い、モニュメントを遠くから眺めた。ミュージアムは展示が個人的に魅力的ではなかったことと、入館料がやや高く感じたのでやめた。
行きのゴンドラでの反省を活かし、帰りは最前列で並ぶことにした。ゴンドラを1台見送り、最前に並んで20分待機。ありがたいことにソファが置いてあるので本を読みながら待つ。帰りのゴンドラは進行方向に二人用の席が2つあるので、そこに座って思う存分風景を楽しむことができた。待っていた甲斐があった。
ロープウェイを降りて、有馬温泉駅に向かう途中でロッカーに荷物を預けていたことを思い出した。軽く絶望しながらロープウェイの駅に戻ろうとしたら、この階段から観光客らしき人が降りてきた。
もしやと思いそこを通って行ったら割とすぐ駅にたどり着いた。有馬にはこんな感じでどうみても公道に見えない抜け道らしきものがあるようだ。次回の参考にしよう。
一人で歩きに歩きまくった今回の有馬温泉旅行。複数人で行くのも楽しいけど、一人旅では誰の意見も気にすることなく、自分の体力と相談しつつ好きなところに行ける醍醐味がある。さて、次はどこに行こうか。
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