前回虫垂炎で緊急入院し、薬物投与で抑えたという話を前回した。
その後の外来で医者から
「再発する可能性が高いから、盲腸をとった方がいいですよ」
と言われたので、
「あ、そっすか」
と手術することを決めた。
ありがたくも今まで大きな病気は…なくはなかったけど、比較的健康体で生きてきた。そんな自分も人生初の手術で色々興味深い体験ができたので、今後の参考のためにもその時の状況をメモっとこうと思う。
↓↓ちなみに前回の入院の様子はこちら。↓↓
入院初日 手術前日
手続きのために記載しなければならない書類が結構あるので、抜け盛れないかチェック。
などなど。
書類と前払金を用意したら、前回の入院経験を踏まえて荷物を最低限のものだけで構成し、付添人なしで病院へ。前回と違って今回はどこかが痛いから入院するわけではないので、気分的にはビジホに行くみたいな感じ。
手術するにあたって用意してもらいたい物のなかに「紙オムツ」があったので、病院内のコンビニで1枚売りのものを買った。術後はすぐに動けないので、尿管をつけられるそうだ。赤ちゃん以来の紙オムツ…ちなみに、鼠径ヘルニアで手術をした知人(男性)曰く、尿管を抜く瞬間が一番痛かったらしい。
とりあえず手続きを済ませて病室へ。前回と同じ4人部屋の窓側。スペース自体は結構広くとられているので他人を意識することも少なく居心地は悪くない。
担当看護師は午前と午後で交代する。1回につき1人から2人。2人の場合、片方は新人。毎回違う人で、今回入院した6日間は一度も被らなかった。ひとりの患者に同じ看護師をつけない理由が何かあるんだろうか。親密になりすぎないように、みたいな。
このシステムのせいかは分からないけど、午前担当の看護師に言ったことが午後担当に引き継がれてなかったことが度々あった。まぁ…忙しいから仕方ないかと思ってやり過ごしてた。
手続きが済んで部屋の準備もあらかたすんだ頃に、担当医から手術の説明を受ける。6時間前から絶食、水は2時間前。麻酔酔いする人もいるので、吐き気どめの薬を手配してもらえるらしい。術後に何事も問題がなければ6日後には退院できる。
そのあと、手術室で患者を取り間違えないようにお腹にペンでマーキングし、ヘソの掃除をしてもらう。そういえば昔、親からヘソゴマとったらお腹痛くなるよって言われてたな。
その後は夕食をとって、タブレットで動画を見てのんびりして寝た。
入院2日目 手術当日
昼から手術なので、朝から絶食。看護師から栄養ウォーターを2本渡される。10時前までに飲んでねとのこと。子ども向け野菜ジュースぐらいのサイズなので、飲み切るのは容易。ただ、味が何とも言えない。薄いスポーツドリンクにうっすら鉄の味がする。点滴ってこんな味なのかなぁ。
ネットでも売ってるようなので興味のある方はどうぞ。
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その後、手術を担当する医者が2人と看護師、麻酔科医が挨拶に来た。この看護師が陽キャだったのだが、患者の不安を和らげるための喋り方講座みたいなのを受けてるのだろうか。手術前説明専門の看護師とか居そう。
手術1時間前、手術着に着替える。点滴をつけられる。点滴、前回は血管が硬すぎて7回ぐらいやり直しされた。今回は新人がチャレンジしてみたが失敗。その後ベテランがやったら1発で通った。さすが。
手術直前に親が付き添いのために来院してきた。ちょっと喋ってから、看護師と一緒に手術室へ。
準備室でネットの帽子を被ったら手術室へ。大きな扉が開いた先には6の部屋に分かれた廊下があり、自分は右手奥の部屋へ。医者や看護師が6〜7人くらい居たと思う。手術台に寝かされ脳波や心拍の測定器をあっちこっちに付けられる。呼吸器を口元に近づけられ、深呼吸を2〜3回したら意識が飛んだ。
目が覚めたら口に人工呼吸器の管が入れられてた。一瞬、手術前に意識が醒めちゃった??と焦ったが、どうやら終わった後だったらしい。筋肉が弛緩してるせいか呼吸がしにくい。看護師に声をかけられ、腕や手足を動かしていると、急にとてつもない寒気を感じてガタガタ震え出した。すぐに電気毛布と厚手の毛布を上から被せられ、そのまま手術台からストレッチャーへ移動される。病室へ運ばれる最中、動く天井(実際動いてるのは自分)を見ながら、ベッドに寝たまま動くホラー系ジェットコースターってあったら面白そうだななんてことを考えていた。寒さに震えながらも頭は冷静だった。
病室についてからも5分ぐらい震えていた。体温が平常に戻ったと看護師に伝えて電気毛布をとってもらう。この時点ですでに尿管が繋がっているので動くことはできず。両腕や胸からは心電図や点滴やらのコードがついてて寝返りも打てない。携帯は引き出しの中。据え置き型の時計はないので時間が分からない。ただひたすら物として横たわるのみ。
数分後、外で待っていた親が顔を見せにきた。切った盲腸を見せてもらったとやや興奮気味だった。写真は撮ってないらしい。残念、自分も見たかったのに。手術は無事に終わったので、数日したら帰るよと伝えてバイバイした。多分その時点で13時か14時だった。それからはボーッとして、眠って、ボーッとして、眠ってを繰り返し一日を終えた。
入院3日目 手術後1日目
心電図の異常音(コードが外れたりすると鳴る)で夜中に何度か目を覚ましたけど、特に何事もなく起床。お昼からはご飯が食べられるとのことで、午前中のうちに尿管と心電図のコードを外してもらい、点滴の管だけがついた状態になる。起き上がるのに腹筋を使うと痛いので、横を向いてからゆっくりと起き上がる。若干ふらつきながらもトイレまで歩いてまた戻ってくる。看護師からも問題なしのお墨付きを得て一安心。ホットタオルで顔と体を拭く。
手術を担当した看護師が様子を見にきた時、手術後のシバリング(震え)について興味深い話を聞いた。内視鏡手術をする際、手元を見やすくし器具を動かすスペースを作るためお腹の中に炭酸ガスを入れて膨らませるらしい。そのため体内の温度が下がり寒さを感じるのだそうな。個人差があるようだが、寒さを感じる人は少なくないらしい。自分は自律神経が乱れやすい方なのでそれも一因なんだろうな。高齢者になってからのシバリングは低酸素症や心筋虚血を引き起こすそうなので、今のうちに自律神経を整えとかないとやばそう。
1日ぶりに携帯を開いて何かしようと思っても麻酔が効いているからかひたすら眠い。ご飯の間も寝そうになった。
トイレに行くのも点滴スタンドを引き摺りながらフラフラしててさながら夢遊病患者のよう。たまに巡回に来る看護師と会話をしても言葉が頭に入ってこない。一日中眠気を感じながら何もすることなく夜を迎えた。
入院4日目以降
術後2日目以降は麻酔の影響もなくなり、意識がはっきりしていた。その代わり痛みもはっきりしてきた。痛み止めと痛み止めの副作用を抑える薬をもらって耐え凌ぐ。盲腸をした場所より盲腸を取り出すために開けた臍の傷の方がよっぽど痛い。やはり体の表面に近い傷の方が痛いのだと実感した。臍から腸が出るヘルニアになる人もいると聞いていたので、巡回してきた医者に「きばっても大丈夫ですか?」と聞いてみた。問題ないらしい。が、この痛みではきばること自体が難しい。便秘がちな人間には辛い話だ。
傷の痛みはあるものの、経過は良好だったので術後4日目で退院することができた。職場復帰するまではさらに2週間要したので、約3週間は仕事に行かなかったことになる。仕事の内容忘れたわ、とはならなかったが体力は落ちていたので数日は疲労感が強かった。
今回の手術入院で、安定した日常を送れるって実はありがたいことなんだなと実感した。医師看護師スタッフの方々にも感謝。色んな人のおかげで生活は回ってるのであった。
そうそう。職場の同僚から入院前にもらったお弁当がめちゃウマだったのだった。
牛ローストハンバーグのミックス弁当。なんとご飯だけではなくバケットも入ってる!他の素材の湿度でしっとりしていて美味しかった。さすがデパ地下弁当。自分では買わないので本当に嬉しい。あざっす。