裁縫にハマった2ヶ月間の話。

Huluで何気なく見た『ソーイング・ビー』に夢中になり、めっちゃやる気になって5月と6月をほぼ毎日裁縫して過ごしてたという話。気がつけば2ヶ月ぐらいこのサイトを放置(番組情報とかは更新していたので実際は1ヶ月弱)していたことに驚く。

『ソーイング・ビー』とは

『ソーイング・ビー』とは、BBCのアマチュア裁縫コンテスト番組である。毎シーズン10人以上の裁縫腕自慢が参加し、テーマに沿った「パターンチャレンジ」「リメイクチャレンジ」「実際にモデルを使った仕立てチャレンジ」をこなしていき、毎回一人から二人の脱落者と最も優れた作品を選出していく。同じくBBC制作の『ブリティッシュ・ベイクオフ』の派生番組である。

『ブリティッシュ・ベイクオフ』を好んで見ていたので、こちらの番組にハマらないわけはなかった。

↓↓『ブリティッシュ・ベイクオフ』の記事はこちら↓↓

裁縫スキル

元々革靴を作ってたこともあって、ミシンの扱いはそれなりに慣れている。とはいえ、洋裁・和裁はほとんどしたことがなかった。知識もまるでなし。とりあえず図書館からパターンが載ってる本を数冊借りてきた。型紙をトレースして、ふと考える。これって洋服屋の服を買うのと変わらないのでは。縫製がきっちりしてる分買った方が良いに決まってる。あえて作るメリットといえば、柄を変えられるぐらい。

自分で服を作る最大のメリットは、既成サイズじゃどうしても合わない肩幅や腕の長さを自分サイズに調節できることにあるのではないか。つまり自分にフィットしたパターンを書けなきゃ意味がない。人間が服に合わせるのではない、服を人間に合わせるのだ。ということで色んなサイトを巡った結果、この本を買った。

洋裁百科 (レディブティックシリーズno.3470)

 

でかい。分厚い。
しかし、中身は素人目にもわかりやすく、原型の作り方・製図の方法・縫い方・裾のまつりかた・修正の仕方・ポケットや襟、裏地などの縫い方などなど、細部にわたって基本的なことが網羅されていた。口コミで評価が高いのも頷ける。確かにこれ一冊あれば「何が作れるのか」が大体わかる。ただ、細かいパーツのサイズを決める方法や具体的な実践例はそれほど詳しく書かれていないので、別途ネットで調べるか他の本で見合ったものを探すか、といったやり方が良いと思う。

とりあえず原型作ってみる

早速、自分の採寸を図るため家族に協力を仰ぐ。
どの数値が服作りに重要なのかはよく知らないから、とりあえず全部測ってみた。

頭回り、首周り、バスト、ウエスト、ヒップ、ミドルヒップ、腰丈、手首周り、背丈、背肩幅、背幅、ゆき丈、袖丈、胸幅、乳下がり、乳間、肩幅、股上、股下

多い。最後の方は家族もうんざりしていたようだ。ごめんね。
素人計測なのでずれてる部分があるかもしれない。とりあえずこの数値を元に原型を作ってみた。

文化式原型

 

本には「文化式原型」「ドレメ式原型」「文化式新型」「ドレメ式新型」の4つが紹介されていた。新型はより体に沿った立体的なものを作るよう意図されているので、細かいダーツ(布を摘んで立体的に見せる方法)がいくつも入っている。ちょっと複雑。とりあえず作りやすそうな「文化式原型」で作ってみた。

そして、これが本当に自分にフィットするかを確認するため、シーチングと呼ばれる扱いやすい布を使って仮縫いをする。

トワル

 

「縫う→着てみる→フィットしない箇所に印をつけて原型を引き直す→縫う→着てみる」というサイクルを3回ほど繰り返してようやく自分にフィットする原型が出来上がった。家族からは「そんなちまちましたことようやるな」と言われた。自分でもそう思うよ。

原型を元にシャツを作ってみる

さて、ここからシャツやジャケットや自分の作りたいものを製図していくわけだが、製図したものが意図したデザインになるかを確認しなければならない。しかし、毎回シーチングでトワル(試作)を作っていたのでは生地がいくらあっても足りなくなる。そこで、10分の1サイズを作ることにした。そのためのトルソー(マネキン)も買ってみた。

トルソー

 

安いやつで2〜3千円程度のもの。周りにクッションをつけて実際の体型に近づけてから使う。しかしこのトルソー、首がやたら太い。細いところの肉付けはできるが、太い部分を削ることはできないので困った。とりあえず首の上の方が細いので、そこを基準に肩の位置をあげたらなんとかそれっぽくなった。

シャツを着せたトルソー

 

シャツを着せたトルソー

 

製図して10分の1サイズで作ったシャツを着せてみた。襟が思っていたより大きい、後ろの裾はもう少し短めが良い、云々…気になるところを修正して、ちょうど良い形になったら原寸大で製図し直す。

原寸大で作ってみた

シャツ

 

夏に着たいので半袖になった。
生地は家にあったものを使用。古い生地なので柄が若干レトロ。うちは祖母も母も裁縫をしていたので生地はそれなりにある。ボタンやら裁縫道具やら編み物道具やらもやたらあるので、改めて買い足さなきゃいけないものはなかった。初めて作ったにしては上出来だと思う。フィット感も問題なし。一つ難点をいえば、この生地めっちゃシワになりやすい。なので毎回のアイロンかけは必須。

さらに作ってみた

家にあったカットクロスで作ったハンチング。作ってみると柄の圧が思いのほか強すぎて普段使いしにくいことに気がついた。ちなみにサイドと鍔に使っている布の漢文には三国志の劉備と曹操が対面するシーンが書かれているっぽい。

ハンチング

 

パターンは図書館にあったものを使った。帽子は生地の消費が少ないので色んな柄のものが作れる。素晴らしい。

シャツ2

 

家族用に作ったメンズシャツ。採寸して原型作って、という流れは同じ。サイズが大きい上に、元にしたパターンがすごく丁寧な作りのものだったので自分のシャツとは比べ物にならないくらい時間がかかった。生地が分厚くてミシンに入らんかったし。
遠くから見るとちゃんとできているように見えるけど、ボタンホールの糸の色が違ったり(糸が足りなくなった)袖のまつりを裏表間違えてたりけっこうやらかしてる。『ソーイング・ビー』で参加者がやらかしたこと全部やってる。でも、ぱっと見わからんからオールOK。

こんな感じでちょっとずつワードローブを増やしていくことにしよう。

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木野 エルゴ

自由と孤独を愛する素浪人。映画と旅行、料理その他諸々趣味が多い。俳優・声優の宮本充さんの吹き替え作品ファン。

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