『ガメラ3 邪神覚醒』と『キング・コング(2005)』しか見たことがないくらい、怪獣ドラマに疎い自分がなぜ、『モナーク』を見る気になったのか。それはひとえに宮本さんが予告PVにちらっと出てたから。雰囲気を見るに2〜3話出れば良い方なんじゃないかと思いつつ、とりあえず全話見ることにする。
Contents
ざっくりした作品紹介
レジェンダリー・ピクチャーズが制作したモンスター・ヴァース『GODZILLA』『キングコング:髑髏島の巨神』『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』『ゴジラvsコング』をベースにしたゴジラのドラマシリーズ。2024年には『Godzilla x Kong: The New Empire』が公開を控えている。
怪獣出現によりサンフランシスコが大破した日「G Day」。その場に偶然居合わせたケイトは怪獣の恐怖を目の当たりにする。その数週間後、父ヒロシが飛行機事故で行方不明に。ケイトはヒロシの秘密を探るため、残された鍵を持ってヒロシが生活していたと思われるアパートを訪れるために日本へ向かう。そこでケイトが目にしたものは、ヒロシが築いたもうひとつの家庭だった…
ざっくりしたあらすじ※ネタバレ注意
地下世界。
森の中でケイトを助けた人物、それはケイコだった。60年前から全く変わらぬ姿でそこにいた。混乱するケイト。ケイコは目の前にいる人物が誰なのか知らないまま、安全な場所へと誘導する。
ケイコは地上の人間が自分が発した信号に気づいていれば、やってくる穴は一つだけだと言う。しかし、ケイトにはそれがなんのことかさっぱりわからなかった。ケイトが捜索隊の人間ではないと気づき、警戒するケイコ。その時、メイがケイトを見つけて駆け寄ってきた。二人に向かって弓を構えるケイコ。木の影に隠れたリーが彼女に声を掛けて状況の説明を試みる。
ケイコがこの地下世界に落ちてきてから今日でおよそ57日目だという。落ちた年は1959年。リーが探索隊を率いてこの場所に来たのは1962年。リーが地上に戻ったのはそれから約1週間後。その時、地上では20年の歳月が過ぎ1982年になっていた。それから33年後の2015年にリーたち3人はこの場所にやってきた。科学者であるケイコは自分の置かれた状況を素直に受け入れる。彼女の目の前にいる老人は、確かにリーだった。ケイコはビリーがすでに他界していることを知り、自分の帰る世界がもうないことにショックを受ける。さらに、目の前にいるケイトが自分の孫であることも知らされる。
リーたちはケイコに連れられて彼女が避難している場所まで案内される。そこには、かつてスズキ博士が自作したガンマ線放出装置が置かれていた。ケイコが設定を変えてメッセージの発信機として使っていたのだ。リーは送信機を見て、4人が地上に戻る方法を思いつく。しかしそれには、発信機を移動させる必要があった。
坂の途中で休憩をとる4人。ケイコとリーは失った時間について語り合った。
リーの記憶通りの場所に、「砂時計計画」の小型船がそのままの姿で残っていた。動作確認も問題ない。4人は運んできた発信機と小型船をケーブルで繋ぐ。全員で帰るつもりのリーだったが、ケイコは地下世界に残ろうとしていた。しかし、ケイトが彼女を説得する。
装置の準備が完了し、小型船に乗り込んだ4人は怪獣を誘き寄せるためのガンマ線を発生させる。しかしその時、近くに隠れていた巨大な翼竜が襲いかかってきた。羽の風圧でケーブルのひとつが抜けてしまう。リーは単身、小型船を出てケーブルを繋ぎ直そうとする。上空では開いたポータルからゴジラが姿を現した。真っ直ぐ小型船の方に向かって突き進むゴジラに翼竜が襲いかかる。暫しの戦闘の後、ゴジラはポータルに向かって翼竜を投げ飛ばした。ポータルに引き寄せられていく小型船。リーがしがみついた瞬間、発信機を繋いでいたケーブルが切り離され小型船が上空に浮かび上がる。その衝撃で落ちそうになるリーを必死で捕まえるケイコ。リーは最後の言葉をケイコに託して彼女の手を解き地下世界に落ちて行った。
2015年、モナークの本部。
足を引きずったティムが入ってくる。信号を発信している人物を救助するべきだと進言するティムだが、ヴェルデューゴは危機的状況に対処することで手一杯だと突っぱねる。そして、引き下がらないティムにある選択肢を提示した。
東京のヒロシのオフィス。
ケンタロウはヒロシに各地で何をしていたのかと問う。ヒロシは地下世界と地上世界を繋ぐポータルがあることを証明するために、怪獣をおびきよせていた。モナークがケイコとビリーを異端者だと決めつけていなければG Dayは起きていなかったと力説する。共存する道を共に探そうとケンタロウを誘うヒロシ。しかし、ケンタロウは父が2重生活を送っていたことを許せなかった。
ケンタロウの実家。
ヒロシが荷物をまとめて家を出ようとしている。サンフランシスコでケイトの母親と離婚の手続きをするらしい。エミコはヒロシに、自分との関係がどうであれ父親としてケンタロウとは連絡をとるように告げて結婚指輪をヒロシに返した。
ケンタロウの友人が経営するバー。
ケイトたちを助ける方法が思いつかず、ケンタロウは途方に暮れていた。いつの間にか店に来ていたティムが声をかける。ティムの目的は地下から送られてくる信号がどこから来ているかを突き止めること。そのためにはヒロシの協力が必要だった。
ヒロシのオフィス。
ヒロシはビリーが最後に残したビデオレターを見ていた。そこにティムとケンタロウが現れる。ティムが地下から発せられている信号についてヒロシに説明するが、不確定要素が多すぎると言って彼は動こうとしない。ケンタロウはこの信号がケイトが発信しているものかもしれないと思っていた。ヒロシの誘いを受けることを条件に、ケイトを見つけるよう説得する。
突如、小型船が地上世界に出現する。ケイコ、ケイト、メイの3人は無事小型船から降りることができたが、自分達がどこにいるかわからない。そこへ、厳重な装備を身に付けた兵たちが現れて3人を近くにあった倉庫のような建物へ保護した。駆け寄ってくるケンタロウ。その背後にはヒロシが立っていた。父との再会を喜ぶケイト。そしてヒロシは35年ぶりに母と再会した。再会を喜ぶ彼らの背後から、ティムとAET社のブレンダ・ホランドが現れる。訝しげにブレンダを見つめるメイ。3人の捜索の資金援助をしたのはAET社らしい。そしてケイトたちは自分達が地下世界にいた間に、地上では2年の歳月が過ぎていたことを知る。
彼女たちが消えていた2年間で、事態は様変わりしていた。
警報音が鳴り響く中、ケイトたちが出現した場所、「エイペックス社髑髏島研究所」と書かれた倉庫の外に巨大なキングコングが姿を現す。
ざっくりした人物紹介と相関
リー(2015年)
演:カート・ラッセル
ケイトたちをアラスカに連れてきた張本人。地下世界で最愛の友人ケイコと再会する。
ケイコ
演:マリ・ヤマモト(山本真理)
科学者。1959年にアフガニスタンの原子炉に開いた穴から地上世界に落ちた後、ひとりでサバイバルしていた。
ヒロシ・ランダ
演:タケヒロ・ヒラ(平岳大)
ケイコの実子。モナークを退職した後、ビリーの持論を証明するため一人で活動していた。ケイトとケンタロウの父。
ケイト
演:アンナ・サワイ(澤井杏奈)
G Dayの被害者。ヒロシの娘。学校で理科の教師をしていた。地下世界で自分の祖母であるケイコに会う。
メイ
演:カーシー・クレモンズ
ケンタロウの元恋人でケイトのパートナー。リーやケイトと同様、地下世界に落ちた。
ケンタロウ
演:レン・ワタベ(渡部蓮)
ケイトが日本で出会った異父兄弟でヒロシとエミコの息子。ティムとヒロシと共にケイトたちを救うため奔走する。
ティム
演:ジョー・ティペット
モナークの関係者。モナークの創設者である3人に敬意を払っている怪獣オタク。
ブレンダ・ホランド
演:ドミニク・ティッパー
大企業AETの幹部と思しき人物。メイの元上司。
ヴェルデューゴ
演:ミレリー・テイラー
モナークの副長官。
キャストと吹き替え
役名 | 役者 | 吹き替え |
リー(2015年) | カート・ラッセル | 安原義人 |
ケイコ | マリ・ヤマモト(山本真理) | 田中理恵 |
ティム | ジョー・ティペット | 菊池康弘 |
ケイト | アンナ・サワイ(澤井杏奈) | 喜多村英梨 |
ケンタロウ | レン・ワタベ(渡部蓮) | 村瀬歩 |
メイ | カーシー・クレモンズ | 潘めぐみ |
ヴェルデューゴ | ミレリー・テイラー | 井上喜久子 |
※SNSなどで役者や所属事務所などが自己申告している情報も掲載しています。
キャストのみの表記
杉本ゆう、神尾佑、豊田茂、近内仁子、酒元信行、石住昭彦、樋山雄作
ざっくりとした所感
ダラダラ現代劇を引きずった割には綺麗に着地できた感じがするこのドラマ。とはいえ、やはり最後まで「無駄なシーンが多かったな」という感じはする。既存の作品ありきということもあってか、モナークという組織の規模感があまり感じられなかった。
というかヒロシ、前の回でケイトが死んだと聞いて泣き崩れてたけど、今回「不確定要素が多いから」って断るはどうなんだ。ランダの血筋は一回断らなきゃ気が済まないのか。現代パートのコアであるはずのヒロシ周りが掘り下げられなかったからか、ヒロシが単にわけわからん面倒臭い人にしか見えなかったのが残念。
それにしても随分気の毒な立場のケイコ。地下世界で約2ヶ月サバイバルしてたら逆浦島状態になって帰る場所が無くなった挙句、知らない孫ができてた。息子の成長は見られないし、パートナーは死んでるし、ロマンスの相手はおじいちゃんだしで踏んだり蹴ったりである。とはいえ、彼女なら地上に戻っても一人で何とか生きられるだろう。息子は当てにならないが。
宮本さんの吹き替えが目当てだから本編もろくに知らないままスピンオフだけを見た形になったけど、過去パートと後半の出来は良かったと思うのでそれなりに楽しかった。本編も見るかと言われると、好きなジャンルではないので若干微妙ではあるけど。
他の話へのリンク
第1話「余波」
第2話「旅立ち」
第3話「秘密とウソ」
第4話「パラレルとインテリア」
第5話「出口」
第6話「恐ろしい奇跡」
第7話「本物のメイはどうぞご起立を」
第8話「生得権」
第9話「世界軸/アクシス・ムンディ」
第10話「論理を超えて」