モナーク:レガシー・オブ・モンスターズ 第9話「世界軸/アクシス・ムンディ」【Apple TV+ドラマ】

『ガメラ3 邪神覚醒』と『キング・コング(2005)』しか見たことがないくらい、怪獣ドラマに疎い自分がなぜ、『モナーク』を見る気になったのか。それはひとえに宮本さんが予告PVにちらっと出てたから。雰囲気を見るに2〜3話出れば良い方なんじゃないかと思いつつ、とりあえず全話見ることにする。

ざっくりした作品紹介

レジェンダリー・ピクチャーズが制作したモンスター・ヴァース『GODZILLA』『キングコング:髑髏島の巨神』『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』『ゴジラvsコング』をベースにしたゴジラのドラマシリーズ。2024年には『Godzilla x Kong: The New Empire』が公開を控えている。

怪獣出現によりサンフランシスコが大破した日「G Day」。その場に偶然居合わせたケイトは怪獣の恐怖を目の当たりにする。その数週間後、父ヒロシが飛行機事故で行方不明に。ケイトはヒロシの秘密を探るため、残された鍵を持ってヒロシが生活していたと思われるアパートを訪れるために日本へ向かう。そこでケイトが目にしたものは、ヒロシが築いたもうひとつの家庭だった…

ざっくりしたあらすじ※ネタバレ注意

1962年、カンザス州のモナーク試験場。
トレーラーの中でヒロシの面倒を見るリーとビリーは次の任務のためヒロシを置いていかなければならなかった。顔を曇らせるヒロシに、リーは小型のサバイバルナイフを手渡す。次に帰ってくるまで預かっていてほしいと言うリーに、ヒロシは頷く。

ヒロシを預けた後、二人は地下世界に通じる穴へと向かう。リーは今回、ボール型の小型船に乗って地下世界を探索する任務「砂時計作戦」にあたっていた。大々的な式典が執り行われ注目が集まる中、リーをはじめ任務にあたるメンバーが小型船に乗り込む。時空が不安定な穴へ安全に入るためには、怪獣を穴の近くに呼び寄せ通路を安定化させる必要があった。スズキ博士の指示のもと、ガンマ線を使用し怪獣をおびき寄せ、通路が安定したところで小型船を切り離し穴の中に落とす。そこまでは順調だった。しかし、船が落ちた直後に穴を中心とした大きな竜巻が発生した。幸い大惨事にはならなかったが、船との通信は途絶えてしまった。

 
地下世界。
制御不能になった船は地下世界の森に不時着した。かろうじて生き延びた隊員たちは船から出て任務を開始する。しかし、この場所は想像以上に危険な場所だった。現れた巨大怪獣と地上から発生した雷によりクルーは次々と命を落とす。かろうじて生き延びたリーは、上空に開いたワームホールに吸い込まれ意識を失った。

 
トレーラーの中。
リーの帰りを一人で待つヒロシに、ビリーは彼がもう帰ってこないことを伝える。

モナークの地下オフィス。
ビリーはたったひとりでデータと向き合う。そこへ、パケット将軍が援助の打ち切りを伝えにやってきた。リーを行かせるべきではなかったと後悔の念を漏らすビリーに対し共感を示す将軍。母とおじを亡くしたヒロシのために生きてやれと諭す。

 
ある医療施設。
気がついた時、リーはテントに覆われたベッドの上で眠っていた。どうやら地下の世界から地上に生還したらしい。

入院して1週間、リーはビリーを呼ぶよう求めていたが叶えられず、仕方なく懇意にしてくれた看護師を人質にとる。騒然となる病院内。そこへひとりの日本人男性が現れ、リーに仔細を説明する。ここはモナークの医療施設で、ビリーはすでに故人であると。そして「砂時計作戦」から20年が過ぎたことも。男はリーを「おじさん」と呼び、ポケットから小さなサバイバルナイフをとりだした。それはリーがヒロシに託した物だった。混乱したリーはその場にしゃがみ込む。1982年のことだった。

夜のナースセンター。
ひとりで事務仕事をしていた看護師に「マツモトさん」とヒロシが声を掛ける。彼女はリーに人質に取られていた看護師だった。リーの行為は自分の責任だと謝罪するヒロシに、彼女は「怯えていたからあんな行動をとっても仕方がない」と優しく諭す。

リーの病室。そばにヒロシが立っていた。ヒロシが自分を疑っていないことを確信したリーは、「砂時計作戦」で何が起きたのかを話す。ヒロシは日本の東出雲の郊外の森であなたをみつけたと教える。そこには古い神社があり、死者と生者の世界を隔つ境界線があると言われていた。ビリーの持論が正しかったと確信するリーは、ヒロシに地下世界の調査を続けるべきだと言う。しかし、ヒロシはそれを拒否した。

その後、リーはモナークが建てた特別施設に入れられ、ケイトたちが現れるまでの33年間をそこで過ごした。

 
2015年、東京。
病院のベッドの上でケンタロウが目覚める。病室にはヴェルデューゴと怪我をしたティムがいる。ヴェルデューゴはリー、メイ、ケイトが亡くなったことをケンタロウに告げる。そして、もうこの一件にかかわるなと言い残しその場を立ち去った。

母エミコに連れられて実家に帰ってきたケンタロウ。何もできなかったと後悔するケンタロウに、エミコは「本当は何かしたいのか」と問う。

ヒロシのオフィス。
ケンタロウは書類を漁っている。そこにヒロシが何食わぬ顔で戻ってきた。なぜここにいるのか問い詰めるヒロシに、ケンタロウはヒロシがコソコソ隠れて二つの家庭を持たなければこんなことにはならなかったと責める。そしてケイトが亡くなったことを告げると、ヒロシはショックを受けて泣き崩れた。

モナーク本部。
ヴェルデューゴやティムたちが慌ただしくデータと格闘する中、バーンズ博士が「シグナルがきた」と声を上げる。リーによる爆発によって各地の穴からガンマ線が大量に放出される以前から、バーンズ博士が受信した信号は一定のリズムで流れ続けていた。ティムは誰かが地下世界からメッセージを送っていると推察する。

 
地下世界。
森の中でリーは目を覚ました。そこにケイトの姿はない。メイも同じ場所で目を覚ます。地面から放出される雷に当たる直前、間一髪でリーに助けられるメイ。ふたりは共にケイトを探すため森の奥深くへ足を進める。

リーは自分の過去をメイに話して聞かせた。人生を長くロスしたねと同情するメイ。

一方、ケイトも他の二人と同様、森の中で目覚めた。近くにオレンジ色に輝く光の柱が見える。そこへ、まだ立ち上がれないケイトの前に中型の怪獣があらわれ、彼女に襲いかかる。ケイトが死を覚悟したその瞬間、怪獣の頭部に一本の矢が命中した。悲鳴をあげて森の奥へ逃げ去る怪獣。ケイトが振り向いたそこには、以前に写真で見たままの姿をしたケイコが弓矢を持って立っていた。

ざっくりした人物紹介と相関

リー(1950年代)

演:ワイアット・ラッセル
軍人。友人であるケイコとビリーと共にモナークを立ち上げた。カザフスタンでケイコを失った後、自身も地下世界へと探索に向かう。

ビリー

演:アンダーズ・ホーム
科学者でケイコのパートナーだった。二人の大切な人を失った後、たったひとりで自分の持論を証明するため研究にのめり込む。

ヒロシ・ランダ

演:タケヒロ・ヒラ(平岳大)
ケイコの実子。彼女が行方不明になった後、ビリーの養子になった。その後モナークに所属し研究者として働いていたが、横領の罪で退職させられている。ケイトとケンタロウの父。

エミコ・マツモト

演:キョウコ・クドウ(久藤今日子)
モナークの医療施設で働く看護師。リーに人質に取られた後、謝罪をしにきたヒロシと顔見知りになる。ケンタロウの母。

リー(2015年)

演:カート・ラッセル
ケイトたちをアラスカに連れてきた張本人。ケイトを助けようとして地下世界に落ちた。

ケイト

演:アンナ・サワイ(澤井杏奈)
G Dayの被害者。ヒロシの娘。学校で理科の教師をしていた。アフガニスタンの原子炉に開いた穴から地下世界に落ちた。

メイ

演:カーシー・クレモンズ
ケンタロウの元恋人でケイトのパートナー。リーやケイトと同様、地下世界に落ちた。

ケンタロウ

演:レン・ワタベ(渡部蓮)
ケイトが日本で出会った異父兄弟でヒロシとエミコの息子。アフガニスタンの爆発から生き延びたものの、ケイトとメイを失った喪失感に苛まれる。

ティム

演:ジョー・ティペット
モナークの関係者。モナークの創設者である3人に敬意を払っている怪獣オタク。

ヴェルデューゴ

演:ミレリー・テイラー
モナークの副長官。

キャストと吹き替え

役名役者吹き替え
リー(1955年)ワイアット・ラッセル日野聡
リー(2015年)カート・ラッセル安原義人
ビリーアンダーズ・ホーム浪川大輔
メイカーシー・クレモンズ潘めぐみ
ケンタロウレン・ワタベ(渡部蓮)村瀬歩
ティムジョー・ティペット菊池康弘
ケイトアンナ・サワイ(澤井杏奈)喜多村英梨
パケット将軍クリストファー・ハイアーダール宮本充
ヴェルデューゴミレリー・テイラー井上喜久子

※SNSなどで役者や所属事務所などが自己申告している情報も掲載しています。

キャストのみの表記

折井あゆみ、近内仁子、西垣俊作、石井まみ、神尾佑、酒元信行、平林剛、野坂尚也、並木愛枝、小椋毅、平田裕香、近貞月乃、田辺留依、樋山雄作

ざっくりとした所感

頭の硬い軍人ではあるが温情深い一面もあるという点で、パケット将軍はまさに中間管理職の悲哀を現している。それにしても権限を委任した相手が悪すぎだろうと思わなくもないが、縁故採用なら仕方ないのかもしれない。

ところで、間一髪で命を救われるパターンが何回あるんだよこのドラマ。どっからそのサバイバルスキルを身に付けたんだよケイコおばあちゃん。

あいかわらずツッコミたい部分が多いこのドラマ、ここにきて今までの伏線を回収しだした。ようやく物語が動き出した感じがするのだが、残りあと1回。それでも未だに現代のパートはそんなにいらなかったんじゃないかなと思うのだが、どうなることやら。

そして、登場した途端に色んな意味で情緒不安定さをアピールしだしたヒロシ。え、泣き崩れるほどケイトのこと大事に思ってたんだ…そんな雰囲気一切なかったけど。ファミリービジネスのお話といいながらヒロシと家族の関わりをそんなに描いてこなかったからヒロシに関するあらゆるシーンが唐突に思える。ケイトと元カノの話とか、ケンタロウとメイの馴れ初めとかを書くよりもヒロシのシーンを掘り下げるべきだったのでは。正直、ちゃんとまともに家族としての描写が描かれてたのって、エミコとケンタロウ親子と、メイの家族ぐらいじゃないか。

他の話へのリンク

第1話「余波」
第2話「旅立ち」
第3話「秘密とウソ」
第4話「パラレルとインテリア」
第5話「出口」
第6話「恐ろしい奇跡」
第7話「本物のメイはどうぞご起立を」
第8話「生得権」
第9話「世界軸/アクシス・ムンディ」
第10話「論理を超えて」

木野 エルゴ

自由と孤独を愛する素浪人。映画と旅行、料理その他諸々趣味が多い。俳優・声優の宮本充さんの吹き替え作品ファン。

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