アストリッドとラファエル 文書係の事件録 第9話「Invisible/五線譜の暗号」

宮本さん目当てで1話分だけ見た『アストリッドとラファエル』(NHKで放送)が思いのほか面白かったので、字幕ではあるがU-NEXTで第1シリーズを全部見た。

その後NHKで吹き替え版が再放送していたので全録。キャストを見たらゲストまでしっかりキャスティングされていた。そこは流石のNHK。NHK放送の吹き替え海外ドラマはソフト化や動画配信があまりされないので、録画するのがベター。

ざっくりした作品紹介

フランス制作の刑事ドラマ。抜群の洞察力と犯罪調査の知識を持つ文書係のアストリッドと、人一倍強い正義感と行動力を持つ警視ラファエルという対照的な二人が謎に包まれた事件を解決していく。

自閉スペクトラム症(ASD)の傾向があり、成人後見人を必要とするアストリッド・ニールセンは犯罪資料局で文書係をしている。決めたルーチンを外れると混乱し、人と関係を築くのが難しいアストリッドだが、ずば抜けた洞察力と膨大な犯罪資料の知識があった。そのことに気がついたパリ警視庁の警視ラファエル・コストはアストリッドに捜査の協力を依頼する。

ざっくりしたあらすじ

アパートの一室で24歳のカミーユ・ヴァヴァンが首を切られて殺害された。現場に残された指紋とDNAから、同じアパートの別の階に住んでいたマルク・ヴァレンヌが容疑者として逮捕される。ヴァレンヌは以前ヴァヴァンに麻薬を販売していたのだった。迅速に事件が解決し、ラファエルは上司のバシェール警視正からやや強制的に休暇を取るよう言われ、息子のテオと二人で3日間の旅行に出かける。ラファエルが不在な中、アストリッドはヴァヴァンの遺体から感じた違和感を独自に調査し、犯人が別にいるのではないかと疑念を抱く…

今回のパズル:マッチ棒パズル

6本のマッチ棒(爪楊枝でも可)で正三角形を4つ作るにはどうすればいいか。

今回の事件関係者

カミーユ・ヴァヴァン

今回の被害者。24歳、女性。誰からも好かれていて敵を作るようなタイプではなかったらしい。

シモン・クッソン

ヴァヴァンの恋人。

マルク・ヴァレンヌ

ヴァヴァンと同じアパートの住人。大麻の売買で逮捕歴がある。

エステバン・アセガ

鑑識助手。

ざっくりした人物紹介と相関

アストリッド・ニールセン

演:サラ・モーテンセン

犯罪資料局で10年間務めている文書係。ラファエルをはじめ様々な人と出会うことでコミュニケーション能力が向上し、後見人であるガイヤールから自立することを促される。

ラファエル・コスト

演:ローラ・ドベール

パリ警視庁犯罪課の警視。ワーカーホリック気味で休暇を取らないタイプ。私情がはさまると若干冷静さに欠ける。

ニコラ・ペラン

演:ブノワ・ミシェル

ラファエルの相棒。ラファエルに対して好意を抱いているが、本人から兄弟のように思っていると言われた。

アルチュール・オンギャン

演:メレディン・ヤクビ

パリ警視庁犯罪課の警部補。ニコラの部下。若いながら調査能力に長けている。また、周囲のことをよく見ており、(やや強引ではあるが)ニコラの恋愛相談にも乗る。

アラン・ガイヤール

演:ジョフロワ・チボー

犯罪資料局の局長。アストリッドの父アンギュスの友人だった。アストリッドの成人後見人を務めている。当初はやや過保護な面もあったが、アストリッドが着々と成長していくのを見て後見人から外れることを考えている。

ジュリアン・フレデリック

演:ブルース・テソール

科学捜査官。アストリッドに興味を持ちデートに誘うも断られる。恋愛対象として見られていないことは承知の上で、同僚として良い関係を築いている。

キャストと吹き替え

役名役者吹き替え
アストリッド・ニールセンサラ・モーテンセン貫地谷しほり
ラファエル・コストローラ・ドベール林真里花
ニコラ・ペランブノワ・ミシェル川田紳司
アルチュール・オンギャンメレディン・ヤクビ中村章吾
カール・バシェールジーン・ルイス・ガーソン藤真秀
アンリ・フルニエウスキ・キアル佐々木睦
アラン・ガイヤールジョフロワ・チボー伊藤和晃
テオティミ・ジョイ・マルボ大平あひる
アンギュス・ニールセンアリオシャ・イトビッチ前田一世

キャストのみの表記

草尾毅、坂詰貴之、小形満、塾ー久、村井雄治、槙野旦、おかやまはじめ、小若和郁那、山岸治雄、きそひろこ

ざっくりした所感

最終回でいきなりティーン小説みたいな軽い作風になった。イマジナリーフレンドとイマジナリーパパが出てくるし。厨二病が入ったシリアルキラーも出てくるし。

今回気になったところ。

アストリッドが出したヒントで犯人(と思しき人物)宅に強制捜査してるけど、物的証拠が無いのにそんなふんわりした理由で強制捜査(というか突入)ってできるものなのか。人質が出てる時点で令状とか取ってる場合じゃないのかもしれないが。

そもそも、あの事件現場にジュリアンが居なかったら誰も犯人に辿り着けないのではないか。他部署の人間の名前なんか知らないだろうし。あと、楽譜読める人間が誰もいなかったら、あのヒントが解かれるのはもっと後になってただろうし、恐らく最悪の結末を迎えてただろう。ご都合主義的なストーリーを見ると、それが成立する条件について考えてしまう。

その前に、上司が刺された事件現場で部下が無邪気にパズルを解いてるのがシュールだった。無関心過ぎだろう。

あと、ニコラが事件の直前に「直接話したい」って電話もらってたことについて、その後全く触れなかったことも気になった。結局あれは事件を早期発見させるためだけに作ったシーンだったのか。でも、それならアチュールじゃなくてニコラでも良かったのでは。

ガイヤール、この作品が続くならここで退場させるにはもったいないキャラだと思うんだ。ストーリーを広げられるベストポジションにいた人をこうもあっさり切り捨ててしまうなんて。個人的にはガイヤールが居る状態で自立するかどうかをアストリッドに決断して欲しかった。これだと自立せざるを得なかった感が否めない。

他の話へのリンク

第1話「Puzzle/パズル」

第2話「Hantise 1/呪われた家 前編」第3話「Hantise 2/呪われた家 後編」

第4話「ミッシング・リンク」

第5話「Chambre Close/閉ざされた部屋」

第6話「Fulcanelli/フルカネリの指輪」

第7話「L’Homme qui n’existait pas/存在しない男」

第8話「La Mort et Compagnie/消えた遺体」

第9話「Invisible/五線譜の暗号」

木野 エルゴ

自由と孤独を愛する素浪人。映画と旅行、料理その他諸々趣味が多い。俳優・声優の宮本充さんの吹き替え作品ファン。

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