サイロ　第9話「逃走」【Apple TV+ドラマ】

Apple TV+は定期的に宮本さんを起用してくれるのがありがたい。なにより、他の動画配信系に比べて吹き替えの質が安定しているし、知名度よりも役にあっているか否かを重視してキャスティングしているように見えるところが良い。

というわけで、今回はApple TV+の新作『サイロ』を追いかけることした。

ざっくりした作品紹介

原作はヒュー・ハウイー作のベストセラーSF小説『WOOL』。

有毒物質が蔓延し、荒廃したことにより地上で暮らせなくなった人類は、地下に巨大サイロを構築。140年前に反乱が起こり、反乱軍は以前のデータや本を全て廃棄。鎮圧された反乱軍は地上に追放され、140年前の過去を知るものたちも皆炭鉱に送られた。現在あるのは絶対不可侵な「協定」と呼ばれる規範。人々は司法部はじめ上層部の監視下で生活を送っていた。

ざっくりしたあらすじ

バーナードに嵌められ「清掃員」にさせられたジュリエットは、シムズとビリングス、司法部の人間に付き添われて螺旋階段を上がっていく。途中ビリングスの手の震えがひどくなっていることに気づいたジュリエットは、注意を逸らした隙にビリングスの腕を振り解き、シムズの腕からハードディスクが入った鞄を奪いとって手すりから下の階の通路に飛び降りた。

ジュリエットを見失ったシムズはそのことをバーナードに報告する。その時、バーナードの卓上にあった「18」と書かれた鍵のようなものが赤く点滅した。

司法部がジュリエットを捜索している間、ビリングスは自宅でジュリエットを逃したことを後悔していた。自分の失態をカバーするため、ジュリエットを自分の手で捕まえる決心をする。ビリングスが到着した時、ジュリエットの自宅は司法部に捜索されていた。ビリングスは司法部が去ったあとを見計らい彼女の家に侵入し、遺物であるガイドブックを発見する。

一方、ジュリエットがIT部のルーカス・カイルと連絡をとっていたことを突き止めた司法部とバーナードは、ある取引をさせるためにルーカスを呼び出す。

その頃、ジュリエットはシムズの家に隠れていた。シムズの妻を手錠で監禁し、パソコンを開いてシムズの権限でハードディスクの中身を開けようとしていた。しかしハードディスクの中身が開いたところでネットワークに情報が伝達し、居場所がバレてしまう。

シムズの家を出て塗装工のパトリックを訪ねたジュリエットは、凄腕ハッカーのダニーを紹介される。ダニーの手助けを借りてハードディスクを開いたジュリエットは、ジョージからのビデオメッセージと、ハードディスクを最初に解読したアリソン・ベッカーが見た映像を目にする…

ざっくりした人物紹介と相関

ジュリエット・ニコルズ

演：レベッカ・ファーガソン

元主任保安官。バーナードの罠により清掃員にされてしまう。元最下層の機械工。恋人だったジョージが残したハードディスクを開くために逃走を開始する。

ポール・ビリングス

演：チナザ・ウチェ

司法部から推挙された主任副保安官。妻と子どもがいる。幼い頃から腕が震える病気を患っており、それを隠している。

ロバート・シムズ

演：コモン

司法部の「見習い」。用務員の息子。ある野心のために行動している。

バーナード

演：ティム・ロビンス

IT部門の部長であり市長の代理。司法部の実行役。

キャストと吹き替え

キャストのみの表記

千田ミヤコ、露崎亘、遠藤大智、露木徳幸、塾一久、清水優譲、武田太一、反町有里、平野潤也、松川裕輝、罍陽子、ボルケーノ太田

ざっくりした所感

ジュリエットの逃走劇を中心に、それぞれのキャラクターが自身の目的を明確にしていく。今までで一番群像劇として機能しているストーリーだと感じた。ただし、本当の目的や理由はまだ不明瞭なので、それは今後シーズン2以降で明らかになっていくのだろう。

しかし、凄腕ハッカーやジョージが全く手を出せなかったハードディスクのロックを解除したアリソンってかなり優秀だったんだな。あと、完全に脇役だと思ってたパトリックが予想外に有能だった。

他の話へのリンク

第1話「自由の日」

第2話「ホルストンの選択」

第3話「機械」

第4話「真実」

第5話「用務員の息子」

第6話「遺物」

第7話「炎の番人」

第8話「ハンナ」

第9話「逃走」

第10話「外の世界」